【先 生】
「さて、今回は、納税義務の判定を行うに当たり特定期間を用いる場合において、その特定期間となる前事業年度が短期事業年度に該当するケースについてお話しする訳だけど、その前に特定期間の原則は何だったかしら?」
【生徒♂】
「原則的な特定期間は、『その事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間』だよ。ばっちり覚えてるよ♪」
【生徒♀】
「あら、珍しいこと。普段はさっき食べたお昼ご飯のメニューも忘れてしまうくせに・・・」
【先 生】
「まあまあ・・・出だしから噛みつくのはそれ位で勘弁してあげなさいな。きちんと覚えていたのだから褒めてあげるわよ。」
【生徒♂】
「その前事業年度が短期事業年度に該当するケースって事だけど、その短期事業年度って何?」
【先 生】
「短期事業年度っていうのは、次の2つよ(消令20条の5)」
≪短期事業年度≫
1.その事業年度の前事業年度で7月以下であるもの。
2.その事業年度の前事業年度(7月以下であるものを除く)で、その前事業年度開始の日以後6月の期間の末日の翌日からその前事業年度終了の日までの期間が2月未満であるもの。
【生徒♂】
「なるほど。『1』は例えば、毎年の事業年度を6ヶ月毎にしているケースとか前期中に設立された法人で、たまたま決算日までの期間が7ヶ月以下になってしまったというケースだよね?」
【先 生】
「そのとおりよ。これは単純だからピンとくるわよね。」
【生徒♀】
「いまいちピンとこないのだけれど、『2』のケースってどんなケースかしら?」
【先 生】
「これは、『前期中に設立された法人で、その前期中に事後的に決算日を変更した場合』に該当するケースがあるわ。」
【生徒♀】
「具体的に言いますと?」
【先 生】
「例えば、次のような前提とするわね。」
≪前提≫
1.設立日
平成26年5月1日
2.決算日
(当初)毎年12月31日
(変更後)毎年12月20日
3.設立1期目
平成26年5月1日~平成26年12月31日
(変更後:平成26年12月20日)
【生徒♂】
「このケースだと事業年度が7月を超えているから、2の要件の1つである『7月以下であるものを除く』はクリアしているね。」
【先 生】
「そのとおり。で、『6月の期間の末日』は、平成26年10月31日になるわ。そしてここからがこの論点のポイントなのだけれど、この6月の期間の末日後に決算日を変更するの。」
【生徒♀】
「つまり、当初は、平成26年12月31日を決算日にするつもりだったけれど、気が変わって平成26年12月20日を決算日にした、という事ですわね?」
【先 生】
「そのとおり。この場合、6月の期間の末日は、平成26年10月31日となるの。そうすると、決算日を平成26年12月20日に変更しているから、6月の期間の末日の翌日から前事業年度終了の日までの期間が2月未満となるでしょ?」
【生徒♂】
「本当だ・・・そうなると、このケースにおける前事業年度は、短期事業年度に該当するって訳だね?」
【先 生】
「そういうこと!では、次回は、前事業年度が短期事業年度に該当する場合の特定期間の考え方についてお話しするわね。ではまた次回!ばいばい!」
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。