☆【生徒】
父親が先月亡くなりました。
父は生前、個人で貸しビルを2棟所有していました。
消費税の課税事業者でもありました。
相続人は母(無職)と私(サラリーマン)だけです。
★【先生】
2棟のビルをどのように相続する予定ですか?
☆【生徒】
すべて母に相続させようと考えています。
★【先生】
各々の貸しビルの家賃収入はどのくらいですか?
☆【生徒】
渋谷ビルが年800万円くらいで、新宿ビルが年900万円くらいです。
★【先生】
お母さんが1人で両方のビルを相続すると、年間の家賃収入は1,700万円
くらいとなり、2年前も同じくらいの家賃収入でしょうから、今年から消費税の
納税義務がお母さんに生じます。
☆【生徒】
前々年の消費税のかかる家賃収入が1,000万円を超えますから、確かに
そうなりますよね。
★【先生】
渋谷ビルをあなたが相続し、新宿ビルをお母さんが相続すると、話が違って
きます。
☆【生徒】
もしかしてそれぞれのビルの消費税のかかる売上高が1,000万円以下にな
るから、消費税の免税事業者になるということですか?
★【先生】
そのとおりです。
相続の仕方で消費税を納めなくても良いことになるのです。
☆【生徒】
相続人が相続した物件ごとに2年前の消費税のかかる売上高が1,000万円
を超えるかどうかを判断するのですね?
★【先生】
そうなんです。
☆【生徒】
話は変わりますが、例えば父の持ちビルが1棟で、家賃収入が1,700万円く
らいあるとして、これを母と私が2分の1ずつの共有で相続したらどうなります
か?
★【先生】
この場合も、2年前の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかの判定は、
各人ごとに2年前の家賃収入の2分の1の額で判断することになります。
☆【生徒】
ということは、1,700万円の半額で各人850万円ですから、私も母も1,000万円
以下の判定になるということですね?
★【先生】
そのとおりです。
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