週刊なるほど!消費税

消費税還付スキーム封じ込め改正
自動販売機スキーム (3)

第334号 2010/10/4

★【先生】

調整計算は、建物などを取得した年度を第1年度とすると、第3年度ま

でにおいて課税売上割合が激変した場合に適用があります。

そして、建物等を第3年度末まで所有していて、第3年度末においても

消費税の課税事業者であって、また、第3年度末において本則課税方

式を採用していることが調整計算適用の条件となります。

☆【生徒】

ということは、調整計算の適用を受けないために、上記の要件に当ては

まらないように意図的にしたのですね?

★【先生】

そうです。

消費税の課税事業者にならない個人事業開始初年度に課税事業者

選択届出書を出して課税事業者になり、建物等を取得して消費税の還

付を受けます。

そして、第3年度から課税事業者にならないための課税事業者選択不

適用の届出を出して、第3年度末に課税事業者にならないことをもって調

整計算の適用を避ける方法です。

☆【生徒】

なるほど。

他にも調整計算逃れはありますか?

★【先生】

あります。

今のがもともと消費税の課税事業者でない場合ですが、課税事業者で

あっても、第3年度で簡易課税方式を選択することによって、同じく調整

計算を逃れる方法がありました。

☆【生徒】

へ~ そんなことをして課税を逃れていたのですね。

ところで、それらの調整計算逃れを今回の改正でどのように封じ込めた

のですか?

★【先生】

上記のような調整計算を回避するケースで、第1年度から第3年度までの

間、免税事業者になることができないようにしたのと、同じくその間に簡易

課税制度を適用して申告することができないようにしたのです。

☆【生徒】

これで自販機スキームは封じ込まれたのですね?

★【先生】

そうなります。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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