☆【生徒】
前回は、売上高と事務用品費の設例で、税込経理によると税抜経理より利
益が150円多く計算されました。
しかし、まだ続きがあるということですよね?
★【先生】
そうです。これで終わりではないのです。
ここで、前回の設例における消費税の納税額を計算してみましょう。
☆【生徒】
消費税の納税額ですね。
売上高にかかる消費税は250円で、事務用品費にかかる消費税は100円で
した。
預かった消費税250円から支払った消費税100円を差し引いた150円が消
費税の納税額です。
★【先生】
よくできました。そのとおりです。
この消費税納税額の経理処理を説明しましょう。
税込経理の場合は、次のようになります。
租税公課 150円 / 未払消費税 150円
税抜経理の場合は、次のようになります。
仮受消費税 250円 / 仮払消費税 100円
未払消費税 150円
☆【生徒】
ちょっと難しいですが、これが利益にどう関係するのですか?
★【先生】
消費税の納税額を経理処理すると、利益は次のようになります。
税込経理の利益は、
売上高5,250円-事務用品費2,100円-租税公課150円
=3,000円 です。
税抜経理の利益は、
売上高5,000円-事務用品費2,000円=3,000円 です。
☆【生徒】
消費税の納税額の経理処理をすると、いずれの経理処理でも利益は
同じになるということですね?
★【先生】
そのとおりですが、税込経理では消費税の納税額を当期に未払消費
税で経理するのではなくて、翌期に支払った時に経理する方法があり
ます。
税込経理における翌期支払時の経理処理。
租税公課 150円 / 現金預金 150円
☆【生徒】
租税公課が翌期に計上されることから、当期の税込経理の利益が
3,150円になって、税抜経理より多くなるのですね?
★【先生】
そのとおりです。
経理の原則は、未払消費税を当期に計上するのが正しいのですが、
どうしても見かけの利益を出したいときには、消費税の納税額を、当期
では経理処理しないで、支払時に経理処理するということも考えられる
ということです。
つづく
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