週刊なるほど!消費税

消費税の経理処理 (3)

第259号 2008/2/25

☆【生徒】

前回は、売上高と事務用品費の設例で、税込経理によると税抜経理より利

益が150円多く計算されました。

しかし、まだ続きがあるということですよね?

★【先生】

そうです。これで終わりではないのです。

ここで、前回の設例における消費税の納税額を計算してみましょう。

☆【生徒】

消費税の納税額ですね。

売上高にかかる消費税は250円で、事務用品費にかかる消費税は100円で

した。

預かった消費税250円から支払った消費税100円を差し引いた150円が消

費税の納税額です。

★【先生】

よくできました。そのとおりです。

この消費税納税額の経理処理を説明しましょう。

税込経理の場合は、次のようになります。

租税公課  150円 / 未払消費税  150円

税抜経理の場合は、次のようになります。

仮受消費税 250円 / 仮払消費税 100円

                未払消費税 150円

☆【生徒】

ちょっと難しいですが、これが利益にどう関係するのですか?

★【先生】

消費税の納税額を経理処理すると、利益は次のようになります。

税込経理の利益は、

  売上高5,250円-事務用品費2,100円-租税公課150円

                          =3,000円  です。

税抜経理の利益は、

  売上高5,000円-事務用品費2,000円=3,000円  です。

☆【生徒】

消費税の納税額の経理処理をすると、いずれの経理処理でも利益は

同じになるということですね?

★【先生】

そのとおりですが、税込経理では消費税の納税額を当期に未払消費

税で経理するのではなくて、翌期に支払った時に経理する方法があり

ます。

税込経理における翌期支払時の経理処理。

   租税公課  150円 / 現金預金  150円

☆【生徒】

租税公課が翌期に計上されることから、当期の税込経理の利益が

3,150円になって、税抜経理より多くなるのですね?

★【先生】

そのとおりです。

経理の原則は、未払消費税を当期に計上するのが正しいのですが、

どうしても見かけの利益を出したいときには、消費税の納税額を、当期

では経理処理しないで、支払時に経理処理するということも考えられる

ということです。

つづく

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