★【先生】
税込経理と税抜経理では、税込経理で納税額を未払金計上すれば、計算
される利益金額は同じになりました。
☆【生徒】
そうでした。
損益計算書の利益金額が同じになるということですから、税金の計算も同じ
になるのですか?
★【先生】
税込経理と税抜経理では、税金の計算が若干異なる点があります。
☆【生徒】
え~ 何だろう?
計算される利益が同じだったら、それをもとに計算される税金も同じだと思う
のに・・・
★【先生】
確かにそうですが、損益計算書における利益の計算では経費になっても、
税金の計算では経費にならないものがありますよね?
☆【生徒】
なるほど・・・
ん~ 交際費かな?
★【先生】
そのとおり。
交際費の法人税法上の扱いは?
☆【生徒】
確か、資本金1億円超の法人は、交際費の全額が損金とされません。
★【先生】
資本金1億円以下の法人は?
☆【生徒】
400万円までの交際費については、その10%が税金計算上損金に算入
されません。
400万円を超えた額は、損金に算入されません。
★【先生】
正解ですね。
では、資本金1億円超の会社が消費税込みで1,050万円の交際費を使
った場合の税込経理と税抜経理での税金計算の違いを見てみましょう。
損益計算書の利益が5,000万円とすると、税務上の利益である所得の
計算は次のようになります。
<税込経理>
利益5,000万円+交際費1,050万円=6,050万円(所得金額)
<税抜経理>
利益5,000万円+交際費1,000万円=6,000万円(所得金額)
☆【生徒】
交際費にかかる消費税額50万円だけ、所得金額が税込経理の方が多
くなるのですね?
★【先生】
そのとおりです。
したがって、法人の納税額も税込経理の方が多くなるということです。
つづく
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