週刊なるほど!消費税

納税義務(法人成り:4)

第243号 2007/10/22

★【先生】

引き続き、法人成りした場合の納税義務について、事例をあげて見ています。今回

で4回目です。

 前回まで3回続けて、個人事業者と法人のそれぞれの納税義務で学んできたことを

組み合わせた事例で復習してきました。

☆【生徒】

 だんだん分かってきました!

★【先生】

 今回も引き続き、法人成りした場合の納税義務について、例をあげて見ていきます。

 下記の場合における、平成17年から平成20年までの各事業年度について、納税

義務はどうなりますか?

・平成15年以前から継続して事業をしている個人事業者である

・平成15年中の課税売上高 : 1,070万円

・平成16年中の課税売上高 : 1,120万円

・平成17年中の課税売上高(1月1日~11月27日まで) : 900万円

・平成17年11月28日に資本金500万円で法人成りした

・1期(平成17年11月28日~平成17年12月31日)の課税売上高 : 150万円

・2期(平成18年1月1日~平成18年12月31日)の課税売上高 : 1,005万円

・3期(平成19年1月1日~平成19年3月31日)の課税売上高 : 270万円

・4期(平成19年4月1日~平成20年3月31日)の課税売上高 : 1,380万円

・5期(平成20年4月1日~平成21年3月31日)の課税売上高 : 1,640万円

☆【生徒】

 平成15年以前から継続して事業を行っている。平成17年11月28日に法人成り

した。

★【先生】

 今回は、中途半端な日に設立をしたこの第1期の課税売上高が、今回は納税義務の

判定に絡んできますので、少しだけ考えることがあります。

☆【生徒】

資本金は500万円。これは前回に比べて、ずいぶん多いですね。

★【先生】

 法律が改正されたので、資本金の額はいくら以上にしなければならない、という法律

上のきまりはなくなりましたが、節税のことだけでなく、銀行の信用や、得意先の信用と

いった対外的なことまで考えるのでしたら、やはり資本金は多い方がより良いと言える

でしょう。

 ただし消費税の納税義務に関係してきますので、消費税の節税を考えるのでしたら、

設立からしばらくは、資本金の額が1,000万円以上にならないよう注意して下さい。

☆【生徒】

事業年度については、第1期は、設立の日が中途半端だから丸一年とはならない

他、第3期で事業年度を変更している。

それから各事業年度における課税売上高が示されている。・・・法人成りしてから、

すごい売上の伸びですね・・・

★【先生】

 法人成りすることで、個人事業者として事業を行っていたときと比べて、社会的な信用

が増して売上が増加することがあります。

 ☆【生徒】

 平成17年は、・・・前回と同じで、個人事業者と法人との人格を切り離して考えます。

平成17年11月27日までの個人事業者のときの納税義務は、平成15年で判断。平

成15年度の課税売上高は1,070万円で1,000万円を超えているから納税義務が

ある。

 法人になってからは、新設法人には前々期がない。資本金も500万円で、1,000

万円に満たないから納税義務はありません。

★【先生】

 そうですね。だんだん慣れてきましたね。

 第2期以降については、説明が長くなってしまいますので、今回はここまでにします。

第2期、第3期、第4期の納税義務についてよく考えておいてください。

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