週刊なるほど!消費税

納税義務(法人:2)

第234号 2007/08/20

★【先生】

 前回から、法人の消費税の納税義務について話をしています。

 法人の場合は前々期の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで当期

の納税義務の有無が決まる、という話でした。

 法人の場合は事業年度で考え、個人事業者の場合は暦年で考えますので、

法人と個人事業者とでは、まずはこの点で異なる、ということでした。

☆【生徒】

 3月決算の法人の場合、平成20年3月31日終了事業年度の消費税の納税

義務があるかないかは、平成17年4月1日から平成18年3月31日までの、消

費税のかかる売上高が1,000万円を超えているかどうかで決まる、ということ

でしたよね。

★【先生】

 今回は、法人が事業年度を変更した場合についてみてみます。

 次の例の場合、20期の納税義務はどうなりますか?

・継続して事業を行っている法人である

・17期(平成17年1月1日~平成17年12月31日)の課税売上高 :1,200万円

・18期(平成18年1月1日~平成18年3月31日)の課税売上高 : 300万円

・19期(平成18年4月1日~平成19年3月31日)の課税売上高 : 1,300万円

・20期(平成19年4月1日~平成20年3月31日)の課税売上高 : 1,500万円

☆【生徒】

 18期で事業年度を変更しているのですね・・・

 18期の課税売上高は300万円ということは、1,000万円以下だから、20期

は消費税はない。・・・と言いたいところだけど、基準期間が1年未満だから、課税

売上高を1年分に割り戻す計算をします!

 18期の事業年度は3ヶ月だから、300万円を3で割って12をかけます!結果

1,200万円だから、20期は消費税がかかります!

★【先生】

 そうですね。個人の場合は、基準期間が1年未満でも、課税売上高を1年に割り

戻す計算はしませんでしたが、法人の場合は割り戻す必要があります。

 前々期の事業年度が1年未満の法人の場合には、課税売上高を1年に割戻し、

割り戻した結果の数字が1,000万円を超えているのか、超えていないのかに

よって納税義務の判定をします。

 ですから、前々期の課税売上高が1,000万円以下であるからといって、単純に

当期の消費税が免除されるというわけではありません。

☆【生徒】

 事業年度が変更された時は、単純に課税売上高を割り戻すだけで良いのでしょ

うか?

★【先生】

 そうとは限りません。例えば法人が2期連続で事業年度を変えたとしたらどうなる

でしょうか?

☆【生徒】

 ・・・何か違うのですか?

★【先生】

 そのあたりは具体例をまじえて、次回にまたお話しましょう。

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