★【先生】
前回から、法人の消費税の納税義務について話をしています。
法人の場合は前々期の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで当期
の納税義務の有無が決まる、という話でした。
法人の場合は事業年度で考え、個人事業者の場合は暦年で考えますので、
法人と個人事業者とでは、まずはこの点で異なる、ということでした。
☆【生徒】
3月決算の法人の場合、平成20年3月31日終了事業年度の消費税の納税
義務があるかないかは、平成17年4月1日から平成18年3月31日までの、消
費税のかかる売上高が1,000万円を超えているかどうかで決まる、ということ
でしたよね。
★【先生】
今回は、法人が事業年度を変更した場合についてみてみます。
次の例の場合、20期の納税義務はどうなりますか?
・継続して事業を行っている法人である
・17期(平成17年1月1日~平成17年12月31日)の課税売上高 :1,200万円
・18期(平成18年1月1日~平成18年3月31日)の課税売上高 : 300万円
・19期(平成18年4月1日~平成19年3月31日)の課税売上高 : 1,300万円
・20期(平成19年4月1日~平成20年3月31日)の課税売上高 : 1,500万円
☆【生徒】
18期で事業年度を変更しているのですね・・・
18期の課税売上高は300万円ということは、1,000万円以下だから、20期
は消費税はない。・・・と言いたいところだけど、基準期間が1年未満だから、課税
売上高を1年分に割り戻す計算をします!
18期の事業年度は3ヶ月だから、300万円を3で割って12をかけます!結果
1,200万円だから、20期は消費税がかかります!
★【先生】
そうですね。個人の場合は、基準期間が1年未満でも、課税売上高を1年に割り
戻す計算はしませんでしたが、法人の場合は割り戻す必要があります。
前々期の事業年度が1年未満の法人の場合には、課税売上高を1年に割戻し、
割り戻した結果の数字が1,000万円を超えているのか、超えていないのかに
よって納税義務の判定をします。
ですから、前々期の課税売上高が1,000万円以下であるからといって、単純に
当期の消費税が免除されるというわけではありません。
☆【生徒】
事業年度が変更された時は、単純に課税売上高を割り戻すだけで良いのでしょ
うか?
★【先生】
そうとは限りません。例えば法人が2期連続で事業年度を変えたとしたらどうなる
でしょうか?
☆【生徒】
・・・何か違うのですか?
★【先生】
そのあたりは具体例をまじえて、次回にまたお話しましょう。
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