週刊なるほど!消費税

納税義務(個人事業者:4)

第232号 2007/07/30

★【先生】

 消費税の納税義務の判定は、あくまでも2年前の課税売上高で判定するの

であって、今年の課税売上高が1,000万円を超えていても、超えていなくても、

今年の納税義務には影響をしない、という事を前回話しました

☆【生徒】

 平成19年の納税義務の判定は、平成17年の課税売上高から判断するので

あって、平成19年の課税売上高は関係ない、ということでしたよね。

★【先生】

 そうです。

では前々回の話も合わせて、もう一度事例で考えてみましょう。

 前々回は、個人事業者の場合には、年の途中で事業を開始した場合であって

も課税売上高を1年分に割り戻す計算はしない、という話でした。

 これらを踏まえて、次の場合の平成19年の納税義務について考えてみてくだ

さい。

・ 平成17年10月に事業を開始した個人事業者である

・ 平成17年度中の課税売上高 : 300万円

・ 平成18年度中の課税売上高 : 900万円

・ 平成19年度中の課税売上高 : 1,100万円

☆【生徒】

 平成17年の課税売上高は300万円。1年分に割り戻す計算はしない。

 また、平成19年の課税売上高は平成19年の納税義務の判定に関係ない。

 つまり平成17年の課税売上高は1,000万円以下だから、平成19年の納税

義務はありません!

★【先生】

 その通りです。

 今回の事例の場合には、平成19年から課税売上高が1,000万円を超えて

いることから、平成21年から納税義務があるということになります。

☆【生徒】

 この個人事業者が法人を設立して同じ事業を法人が引き継いだら、消費税の

扱いはどうなるのですか?

★【先生】

 いいところに目をつけました。いわゆる法人成りですね。法人成りの場合には、

個人事業者の時代とは分けて考えることになります。

 新設法人に関しては、一定の条件を満たすと、しばらくの期間は消費税の納税

義務の免除を受けることができます。

 ですから今回の事例で考えると、納税義務の発生する平成21年に法人成り

をすると、やり方によってはうまく節税をすることができます。

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