週刊なるほど!消費税

納税義務(個人事業者:3)

第231号 2007/07/23

★【先生】

前回は、2年前に事業を開始した場合、個人事業者と法人とでは、納税義務の

判定の仕方に違いがある、という話をしました。

☆【生徒】

個人事業者の場合は2年前の課税売上高そのもので判断するのであって、年

の途中で事業を始めていても、1年に割り戻す計算はしない、ということでしたよね。

★【先生】

 例えば平成17年7月に事業を開始して、平成17年の課税売上高が900万円で

あったとしても、900万円÷6ヶ月×12ヶ月=1,800万円とはしない。

そのまま900万円で納税義務の判定をして、平成19年は納税義務なし、という

ことでした。

では、ひとつ事例を考えてみましょう。

 次の例の場合、平成19年の納税義務はどうなりますか?

・ 平成17年度以前から継続して事業をしている個人事業者である

・ 平成17年中の課税売上高 : 1,200万円

・ 平成18年中の課税売上高 : 900万円

・ 平成19年中の課税売上高 : 800万円

☆【生徒】

 平成17年の課税売上高が1,200万円ということは、1,000万円を超えている

から、平成19年は消費税がかかる・・・。

 あっ、でも平成19年の課税売上高は1,000万円以下だから、やっぱり平成19

年は、消費税はかからない・・・?

★【先生】

 違います。あくまでも個人事業者の消費税の納税義務は、「その年」の課税売上

高ではなく、「その年の前々年」の課税売上高で判定しますので、「その年」の課税

売上高が1,000万円以下であっても納税義務はあります。

つまり先ほどの事例の場合には、平成19年の納税義務はある、ということになり

ます。

☆【生徒】

 平成19年の課税売上高が1,000万円を超えていても、超えていなくても、平成

19年の納税義務には影響しない・・・?

★【先生】

 その通りです。

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