【先生】
前回は数値例を出してお話しましが、分かりにくいところですのでもう一度
例を挙げて見ていきましょう。
まずは文章で確認です。3種類以上の事業を営む場合、そのうち特定2事業
にかかる課税売上高の合計が、課税売上高全体(免税売上を除く)の75%以上
を占めていれば、当該2事業のうち高いほうのみなし仕入率にかかる事業につい
てはそのみなし仕入率を、残りの事業には当該2事業のうち低い方のみなし仕入
率を適用して計算します。
【生徒】
組合せは10種類ありましたよね。
【先生】
そうですね。それでは実際の数値例を上げましょう。前回よりも種類を増やして
みます。金額は全て税抜です。
第1種売上 5,500,000円
第2種売上 15,000,000円
第4種売上 500,000円
第5種売上 5,000,000円
売上総額 26,000,000円
【生徒】
まずは2事業で75%以上かどうかの判定ですね。組合せは6種類かな。
【先生】
1+2、1+4、1+5、2+4、2+5、4+5の6種類ですね。
第1種+第2種:(5,500,000+15,000,000)/26,000,000=78.84%
第1種+第4種:(5,500,000+500,000)/26,000,000=23.07%
第1種+第5種:(5,500,000+5,000,000)/26,000,000=40.38%
第2種+第4種:(15,000,000+500,000)/26,000,000=59.61%
第2種+第5種:(15,000,000+5,000,000)/26,000,000=76.92%
第4種+第5種:(500,000+5,000,000)/26,000,000=21.15%
【生徒】
75%を超えるのは第1種+第2種と第2種+第5種の組合せですね。
【先生】
次にこの2種類についてみなし仕入率を計算していきます。
まずは第1種+第2種の組合せから。
この2事業のうち高いほうのみなし仕入率は当然第1種ですので、第1種に
かかる税額には90%を適用します。
第1種:5,500,000×4%×90%=198,000
残りの第2種、第4種、第5種については、第1種+第2種のうち低いほうの
みなし仕入率、つまり第2種の80%を適用します。
残3種分:(15,000,000+500,000+5,000,000)×4%×80%=656,000
そして算出した額を全体の消費税額で割ります。
全体:26,000,000×4%=1,040,000
(198,000+656,000)/1,040,000=82.11538・・・%
これが第1種+第2種の場合のみなし仕入率です。
それでは第2種+第5種の場合のみなし仕入率を計算してみて下さい。
【生徒】
まずは第2種+第5種のうち高いほうのみなし仕入率は第2種だから、
15,000,000×4%×80%=480,000
次に残りは低い方の第5種を適用して、
(5,500,000+500,000+5,000,000)×4%×50%=220,000
この合計を全体の消費税額で割ればいいんだから、
(480,000+220,000)/1,040,000=67.3076・・・%
【先生】
これでそれぞれの組合せのみなし仕入率が計算できました。どちらを
適用したほうが有利になりますか?
【生徒】
第1種+第2種のほうが計算された率が高いですもんね。なので第1種+
第2種です。
【先生】
そうですね。ここでは第1種+第2種を選択することになります。
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