週刊なるほど!消費税

納税額の計算(46)
簡易課税

第172号 2006/05/15

【先生】

 いつの間にかドイツW杯まで1ヶ月を切ってしまいました。

【生徒】

 前回の日韓W杯から4年経つんですね。早いなぁ・・・

【先生】

 今度はきちんと行われるといいですね。

【生徒】

 なんか前回が問題あったような言い方ですね。

【先生】

 まぁその辺は各方面から抗議が殺到するといけないのでノンコメントと

いうことで。

 さて、簡易課税の計算方法のお話です。

 今回は2つ目の特例計算について見ていきましょう。

 2つ目の特例の適用を受けるためには次の条件を満たす必要があります。

・特定2事業にかかる課税売上高の合計が、課税売上高全体(免税売上を

除く)の75%以上を占めること

【生徒】

 前回は1事業で全体の75%以上でしたよね。今回は2つの事業を足して

75%以上ですか。

【先生】

 そうです。その点、前回よりはちょっと条件が緩和されていることになります。

例えば第1種+第2種で75%以上、あるいは第2種+第5種で75%以上といった

ようなパターンで、全部で10種類が考えられます。

【生徒】

 1+2、1+3、1+4、1+5、2+3、2+4、2+5、3+4、3+5、4+5

 たしかに10種類ですね。

【先生】

 この特例にあたる場合の計算方法ですが、当該2事業のうち高いほうの

みなし仕入率にかかる事業についてはそのみなし仕入率を適用し、残りの

事業には当該2事業のうち低い方のみなし仕入率を適用して計算します。

【生徒】

 ???よくわからないです・・・

【先生】

 実際に例を挙げてみましょう。売上金額は全て税抜金額とします。

 第1種売上 2,000,000円

 第2種売上 12,000,000円

 第5種売上 3,000,000円

 売上総額  17,000,000円

 まず2事業で75%以上かどうかの判定です。

 第1種+第2種=(2,000,000+12,000,000)/17,000,000=82.35% 

 第1種+第5種=(2,000,000+3,000,000)/17,000,000=29.41%

 第2種+第5種=(12,000,000+3,000,000)/17,000,000=88.23%

【生徒】

 75%以上となっているのは第1種+第2種と第2種+第5種の組合せですね。

【先生】

はい。ですのでその2つそれぞれについて計算していきます。

 まずは第1種+第2種の場合、

 高いほうのみなし仕入率は第1種ですので、第1種にはそのまま第1種の

みなし仕入率を適用します。

 2,000,000×4%×90%=72,000

 つぎに、残りについては2事業のうち低い方のみなし仕入率つまり第2種

のみなし仕入率を適用します。

 (12,000,000+3,000,000)×4%×80%=480,000

 この2つの金額の合計を、全体の消費税額で割ります。

全体の消費税 17,000,000×4%=680,000

 (72,000+480,000)/680,000=0.81176・・・

 これが第1種+第2種の場合のみなし仕入率となります。

 第2種+第5種も同様に計算すると0.7117・・・となります。

【生徒】

 第1種+第2種のほうが高いですね。

【先生】

 みなし仕入率が高いということは納税額が少なくなるということですので、

ここでは特例のうち第1種+第2種の場合を選択することになります。

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