週刊なるほど!消費税

非課税取引(2)

第38号 2003/08/18

【先生】

 お盆も休みなく発行するなるほど!消費税。前回から非課税取引

の話に入りました。

【生徒】

 新盆盂蘭盆ぼんぼんぼん。僕の究極の目標は覆水を盆に返すこと

です。

 この時期は電車がすいてていいんですよねぇ。

【先生】

 ・・・意味不明ですよ・・・

 盂蘭盆を裏盆と書かなかったことは褒めてあげましょう。

 さて非課税取引が限定列挙されているということは前回お話しま

した。今回から1つずつ見ていくことにします。

 まずは土地の譲渡及び貸付けです。

【生徒】

 土地って消費税がかからないんですか?

【先生】

 そうです。

 建物などでは使用すれば老朽化しますし、取壊せばなくなります。

ですが土地は基本的にどれだけ使用し続けていても、土地として

そこに存在し続けますよね。

 消費税は物・サービスを「消費」することを前提としていますので、

いくら譲渡・貸し付けても無くならない土地については、消費という

概念になじまないということで非課税取引となっています。

【生徒】

 なるほど。確かに地震がきて海に沈んだなんてことでもないと・・

でも日本だとありそうで恐いな・・・

【先生】

 そういう特殊な事例は考えないようにしましょう。

 この土地の譲渡・貸付ですが、土地そのものだけではなく、土地

の上に存する権利も含んでいます。

【生徒】

 権利?

【先生】

 地上権や地役権、永小作権、借地権など、土地を使用するため

の権利です。これらの譲渡・貸付も非課税取引となります。

 ここで注意点を一つ。

 非課税取引となるのは土地(土地の上に存する権利を含む)の

譲渡及び貸付けで、役務の提供については含まれていません。

【生徒】

 ということは役務提供は課税取引になるんですね?

【先生】

 そうです。

 例えば土地造成費や土地の売買・賃貸借の仲介手数料などは

役務提供の対価ですので非課税取引とはなりません。

※先頃読者の方より国内/国外取引に関連した御質問を頂きました。

 『海外メーカーの商品を日本の客先に紹介する会社で、紹介数等

 に応じた出来高を海外メーカーより受け取ります(商品決済自体

 はメーカーと客先が直接行う)。この取引では日本の会社に消費

 税の納税義務は無いものと解してよいのでしょうか?』

 これにはまだお話していない部分も含まれていますので、概要のみ

説明いたします。

 まずこの取引は国内及び国外にわたる役務提供と考えられます

ので、役務提供を行う者の住所地で判断し、国内取引となります。

 また、役務提供の対価は海外の会社(非居住者)より受け取ること

から、免税取引に該当するでしょう。

 免税取引は税率0%の課税取引ですので、その収入は課税売上

となり、現段階では前々期の課税売上が3,000万円を超えていれば

納税義務が発生します。

また新設法人の第1期・第2期で事業年度開始日における資本金

が1,000万円以上であれば、必ず納税義務は発生します。

 納税義務があるとはいえ、税率0%のため預かる消費税額は0円

となり、通常は還付になると思われます。

 そのため同種の会社では、あえて課税事業者を選択する場合も

多いでしょう。

 うちも当てはまるゾ!という方、個別具体的には顧問税理士又は

所轄税務署に尋ねられることをお勧めします。

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