1年分を前払いした家賃に関しては、問題はありませんでした。
調査は2日目に入りましたが、まだ問題点の指摘はありません。
調査官も少し焦ってくるころです。
●税務署
「会社が所有していたB社の株式を譲渡していますね?」
▲納税者
「はい、知り合いの社長に売却しました」
●税務署
「1株いくらで譲渡したのですか?」
▲納税者
「その株を取得したときの金額で売りました」
●税務署
「つまり、帳簿価額で売ったということですね?」
■会計事務所
「そのとおりです」
●税務署
「本来は譲渡時の時価で売らなくてはいけないのですよ!」
▲納税者
「時価といっても株式公開しているわけではありませんから、当社と知り合いの社長とが合意した金額が時価ではないのですか?」
■会計事務所
「私もそのような考えでよいと思いますが・・・」
●税務署
「いや、それは違うと思いますよ」
■会計事務所
「確かに、非上場株式の時価の考え方は、いろいろな見方がありますが、それではまずB社の決算書を見てみましょうよ」
「私の記憶では、実質的な会社の価値はなかったようですが・・・」
▲納税者
「これがB社の決算書です」
●税務署
「かなりの純資産額がありますよね?」
■会計事務所
「確かに、純資産だけを見れば金額が大きいですが、棚卸資産の金額を見てください」
「年間の売上高に匹敵する額だけ計上されていますよね」
「私から見れば明らかに粉飾された決算ですね・・・」
つづく
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