税務調査では、しばしば仕掛品の計上が問題になります。
仕掛品は、「シカカリヒン」と読みます。「シカケヒン」ではありません。
仕掛品とは、主に製造業の工場で、製造途上の製品のことをいいます。
いわゆる未完製品のことです。
決算日において完成している製品については、製品在庫として資産計上しなければならないのは、容易に想像できます。
同様に、決算日において未完成の製品についても、そこまでにかかった材料費や加工費を集計して、仕掛品として資産計上しなければなりません。
そうしないと、仕掛品の製造にかかった材料費や加工費が会社の損金として計上されたままになってしまい、会社の利益はその分少なく計上されてしまいます。
利益が少なく計上されると、支払う税金も少なくなり、税務調査があれば指摘されることになるのです。
この仕掛品に関する税務調査を紹介します。
まずは、電気工事会社への税務調査です。
●税務署
「決算日を跨いでの工事がありますが、仕掛工事は計上していますか?」
▲納税者
「はい、していますよ」
「これが内訳です」
●税務署
「・・・」
「A工事 1,500,000円、B工事 3,200,000円・・・とありますが、何ですべて切りのよい数字になっているのですか?」
▲納税者
「いや、だいたいこんなものだから・・・」
●税務署
「だいたい・・・」
「だいたい では困るんですよね・・・」
「計算根拠を教えてください」
▲納税者
「計算根拠?」
「それなら これ」
調査官に、計算根拠を書いた紙を渡しました。
内容については、次週説明します。
つづく
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