真面目な調査官で、無駄な動きがなく調査は進められていきます。
●税務署
「総勘定元帳を見せていただけますか?」
「賃金台帳もお願いします」
「請求書の綴りを見せてください」
などど、矢継ぎ早に資料を要求し、スピーディーに調査を進めます。
しかし、あまり税務署のペースに乗ってばかりいられないので、ちょっとペースを乱すようなちょっかいを出してみます。
■会計事務所
「社長は、休日はどのように過ごされているのですか?」
▲納税者
「いや~私は相変わらずテニスを休日にやってますよ」
「だいぶ、しんどくなりましたけれどね」
■会計事務所
「あ~そうですか」
「ところで税野さんは、休日はどのように過ごされているのですか?」
●税務署
「休日ですか?」
「いつも昼まで寝ていますね」
■会計事務所
「え~それで起きてからは?」
●税務署
「洗濯ですね」
■会計事務所
「ああ そうですか・・・」
話が続きません。
●税務署
「すみません」
「この領収書を見せてください」
ぜんぜんペースを乱しません。
しかし、納税者はキチンとした経理をやっているので、問題点は出てきません。
そうこうしている内に、一日目の調査は終わりました。
2日目の調査です。
●税務署
「仕掛品の計算根拠を見せてください」
▲納税者
「はい、これです」
「前期は3台の機械が決算日現在で未完成でしたので、その原価を計算して仕掛品に計上しています」
●税務署
「なるほど」
「間接費も仕掛品の計算では考慮されていますか?」
▲納税者
「はい、ここの計算で考慮しています」
なかなか原価計算に詳しい調査官です。
製造原価計算には、材料や外注費などの直接費と管理部門の人件費や家賃などの間接費があるのです。
直接費だけで原価を計算しているケースが多いのですが、理論的には間接費も考慮して原価計算をしなければなりません。
納税者は、会計事務所の指導どおりに計算しているため、問題ないわけです。
そして2日目も、もう終わろうとしています。
別段ここまで、問題点の指摘はありません。
●税務署
「え~もうそろそろ終わらせていただきますが、1点だけ指摘しておきます」
■会計事務所
「何ですか?」
どんな指摘でしょうか?
To be continued
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。