午後の調査の始まりです。
●税務署
「総勘定元帳と得意先への請求書の控え、それと納品書の控えを見せてください」
▲納税者(社長)
「はい はい 今すぐ」
「どうぞ、思う存分見てください」 と言って、調査官の前に資料を並べます。
●税務署
「納品先は百貨店が多いんですよね」
▲納税者(社長)
「そうなんだよね」
「百貨店は買い取りだと言っておきながら、後でドサッと返品してくるからたちが悪いよね」
●税務署
「そうですか」
「外注先からの納品書と請求書を外注先別に見せてもらえますか?」
▲納税者(社長)
「は~い 何でも見せますよ」
●税務署
「賃金台帳を見せてください」
▲納税者(社長)
「はい 賃金台帳」
「ところで、賃金台帳を見て何を調べるの?」
●税務署
「決算書に計上されている給与額が正しいかどうかを調べます・・・」
▲納税者(社長)
「そんなの正しいに決まっているジャン」
「調べても無駄だよ」
●税務署
「でも、一応調べさせてください」
「年末調整の資料も見せてください」
▲納税者(社長)
「はい どうぞ」
●税務署
「雑給の元帳を見ると、日払いの人がいますが、これはどのような方ですか?」
▲納税者(社長)
「それはね、倉庫整理のアルバイト」
「大学の学生に倉庫整理をしてもらって日払いで支払っているんだ」
●税務署
「源泉はどうしているのですか?」
▲納税者(社長)
「源泉税? そんなもんとってないよ」
「とる必要があるの?」
●税務署
「日雇賃金に該当すれば、日額9,200円までは源泉徴収しなくても構わないのですが、それを超えれば源泉徴収が必要になりますよ」
▲納税者(社長)
「そうなんだ・・・」
問題点と言えば、この日雇賃金に関する源泉所得税のことだけで、今回の実地調査(臨場調査)は終わりました。
調査官はこの後、会社及び代表者の取引銀行に行って、預金口座の内容を確認するでしょう。
To be continued
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