週刊税務調査日記

裏金発覚?の調査 (3)

第195号 2006/2/6

午後の調査の始まりです。

●税務署

「総勘定元帳と得意先への請求書の控え、それと納品書の控えを見せてください」

▲納税者(社長)

「はい はい 今すぐ」

「どうぞ、思う存分見てください」 と言って、調査官の前に資料を並べます。

●税務署

「納品先は百貨店が多いんですよね」

▲納税者(社長)

「そうなんだよね」

「百貨店は買い取りだと言っておきながら、後でドサッと返品してくるからたちが悪いよね」

●税務署

「そうですか」

「外注先からの納品書と請求書を外注先別に見せてもらえますか?」

▲納税者(社長)

「は~い 何でも見せますよ」

●税務署

「賃金台帳を見せてください」

▲納税者(社長)

「はい 賃金台帳」 

「ところで、賃金台帳を見て何を調べるの?」

●税務署

「決算書に計上されている給与額が正しいかどうかを調べます・・・」

▲納税者(社長)

「そんなの正しいに決まっているジャン」

「調べても無駄だよ」

●税務署

「でも、一応調べさせてください」

「年末調整の資料も見せてください」

▲納税者(社長)

「はい どうぞ」

●税務署

「雑給の元帳を見ると、日払いの人がいますが、これはどのような方ですか?」

▲納税者(社長)

「それはね、倉庫整理のアルバイト」

「大学の学生に倉庫整理をしてもらって日払いで支払っているんだ」

●税務署

「源泉はどうしているのですか?」

▲納税者(社長)

「源泉税? そんなもんとってないよ」

「とる必要があるの?」

●税務署

「日雇賃金に該当すれば、日額9,200円までは源泉徴収しなくても構わないのですが、それを超えれば源泉徴収が必要になりますよ」

▲納税者(社長)

「そうなんだ・・・」

問題点と言えば、この日雇賃金に関する源泉所得税のことだけで、今回の実地調査(臨場調査)は終わりました。

調査官はこの後、会社及び代表者の取引銀行に行って、預金口座の内容を確認するでしょう。

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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