調査官が、パソコンの操作はしないけれども、画面でパソコン内のデータを確認したいと言ってきました。
納税者も見せられるものだけということで同意しましたので、調査官とともに経理の部屋へ行きます。
納税者がパソコンの前に座り、調査官がその後ろでパソコンの画面を確認します。
●税務署
「先ほど確認させていただいた取締役会議事録はこのパソコンで作成されたのですか?」
▲納税者
「役員報酬改定にかかる取締役会議事録のことですか?」
●税務署
「そうです」
▲納税者
「ええ、このパソコンで私が作りました」
●税務署
「WORDで作成されたのですか?」
▲納税者
「そうですけれど・・・」
●税務署
「そのデータはパソコンに保存されていますか?」
▲納税者
「ええ・・・」
●税務署
「では、そのデータを画面に出してもらえますか」
▲納税者
「はい・・・この議事録(取締役会)というデータです」
●税務署
「そのデータにカーソルを当ててもらえますか?」
▲納税者
「はい」 と言って、納税者がパソコンのマウスを操作して、パソコン上のカーソルをデータに当てました。
すると、画面上にWORDで作成したデータの作成者や更新日時といったそのデータの情報が出てきたのです。
調査官は、データの作成日を確認したかったのでしょう。
取締役会議事録が、税務調査のために最近作られたものでないかどうかの確認です。
鋭い調査手法です。
●税務署
「データの更新日付が取締役会開催日の翌日ですから、後から作られたものではないですね」
▲納税者
「はい・・・」
「え~ WORDのデータにカーソルを置くと作成日がわかってしまうのですね~」
「これから気をつけないと・・・」
●税務署
「次に、棚卸し表のデータを見せてもらいたいのですが」
「確か、EXCELで作成しているようですが・・・」
To be continued
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