調査官が、毎月社長に渡している試算表の提出を求めてきました。
今現在のパソコン会計のデータとつき合わせることにより、遡ってのデータの修正や追加がないかを確認するのでしょう。
▲納税者
「はい、これが毎月社長に渡している試算表のファイルです」
●税務署
「決算整理仕訳を見せていただけますか?」
決算整理仕訳とは、決算時だけ必要となる仕訳のことです。
通常、決算整理前試算表に決算整理仕訳を加えると、決算書ができることになります。
調査官は、毎月社長に渡している試算表に決算整理仕訳を加えてみて、決算書の数字に合っているかどうかを確かめるのでしょう。
なんともいやらしい調査方法です。
▲納税者
「はい、これが決算整理仕訳です」
●税務署
「ん~ 決算整理仕訳を試算表の数字に加えても、決算書の数字に合わないですね・・・」
▲納税者
「どの科目が合いませんか?」
●税務署
「売上高と交際費の数字が合いませんね」
▲納税者
「え~ どうしよう・・・」
■会計事務所
「期中で、社長に試算表を提出した後に修正とかしませんか?」
▲納税者
「そういうことはほとんどしないんですけれど、なぜですかね・・・」
●税務署
「思い出せませんか?」
▲納税者
「ええ、後で調べてみますけれど・・・」
●税務署
「そしたら、弥生会計のバックアップデータをいただけますか?」
▲納税者
「パソコン会計のバックアップデータですか?」
●税務署
「そうです」
「フロッピーディスクに落としていただけますか?」
■会計事務所
納税者は、どうしたものかと言うように、私の顔を見ています。
「調査官から会計ソフトのデータの提供を求められたのは初めてなのですが、そういうことはよくされるのですか?」
●税務署
「よくではないですけれど、たまにありますよ」
■会計事務所
「パソコン会計のデータを税務署に持ち帰ってどうするのですか?」
●税務署
「税務署には、情報技術専門官という情報処理専門の担当者がいますので、データを分析してもらいます」
■会計事務所
「分析すると、どのようなことが分かるのですか?」
●税務署
「データの入力年月日も全て分かりますから、遡って入力したかどうかなんて一目瞭然です」
▲納税者
「へ~ すごいですね」
To be continued
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