コンピュータソフトウェア製作会社へ税務調査に入りたい旨の連絡が税務署からありました。
会社の業種により税務調査のポイントは様々です。
ソフト製作会社の税務調査のポイントはおおよそ以下のとおりです。
・得意先との請負契約書、外注先との契約書において、収入印紙が貼付されているか?
・得意先への売上げの計上と、それに対応した外注費の計上のタイミングに問題がないか?
・まだ未完成のソフトウェアについては、仕掛品等の科目で決算時に資産 計上しているか?
・外注先として扱っている人員が、実態は従業員と変わりなく、その人への 支払は外注費ではなくて給与ではないのか?
今回の調査でも、このような点が調査のポイントとなるでしょう。
調査初日です。
■会計事務所
「おはようございます」
●税務署
「おはようございます。宜しくお願いします。」
まずは世間話からです。
「景気はいかがですか?社長」
▲納税者
「ん~ ボチボチですね」
「良くもないし、悪くもないってところです」
●税務署
「御社で作られているソフトは自社開発ですか?受託開発ですか?」
▲納税者
「全て受託開発です」
受託開発とは、得意先からの製作依頼を受けて、製作したソフトを得意先に納品する取引を言います。
自社開発とは、不特定のユーザー向けに自社でパッケージソフトなどを開発する取引を言います。
●税務署
「ソフトの製作は自社の社員がメインですか?」
「外注は使っていますか?」
▲納税者
「自社の社員がメインですが、間に合わない時は外注にまる投げしているものもあります」
「ですから、外注もかなり使っています」
●税務署
「外注先は主に法人ですか?」
▲納税者
「法人がメインですが、個人もいます」
●税務署
「得意先や外注先とは契約書は取り交わしていますか?」
▲納税者
「請負契約書を取り交わしています」
●税務署
「なるほど」
「そうしたら、まずはその契約書の綴りを見せていただけますか?」
さっそく、契約書のチェックです。
納税者が契約書のファイルを持ってきました。
調査官は、そのファイルを1枚1枚めくっています。
「契約書に印紙が貼ってないですね・・・」
▲納税者
「収入印紙ですか?」
●税務署
「そうです」
「得意先との契約書は、請負に関する契約書の印紙が、外注先との契約書には、継続的取引の基本となる契約書の印紙が必要だと思いますよ」
さっそく収入印紙を指摘されてしましました。
To be continued
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