2日間の調査の予定が1日伸び、更に半日追加されました。
その半日の調査の始まりです。
●税務署
「すみません。固定資産について教えてください。」
■会計事務所
「はい、何ですか?」
●税務署
「工具器具備品で計上されているエアコンなんですけれど、これってこの部屋のように天井の埋め込まれているタイプのものですか?」
■会計事務所
「ん~ どうですか?」
▲納税者
「そうだと思います。今までつけていたものが壊れて、新しく買ったものです」
●税務署
「そうすると天井に埋め込まれているエアコンですから、工具器具備品ではなくて、建物付属設備ということになりますね」
■会計事務所
「天井に埋め込まれているからですか?」
●税務署
「そうです。建物と一体となっていますから・・・・」
■会計事務所
「セントラルヒーティング形式のエアコンなら分かりますけれど、これは天井に埋め込むだけで、壁掛け式のエアコンと変わりないのですけれど」
●税務署
「いや、天井埋め込み式は建物と一体となっていますから」
■会計事務所
「金額も30万円で壁掛け式のものと大差ないですし、壁掛け式が天井埋め込み式になったからと言って耐用年数が延びるとも思えませんが・・・」
税務署が天井埋め込み式のエアコンを工具器具備品ではなくて建物付属設備であると主張しているのは、耐用年数が違ってくるからです。
工具器具備品の「冷房用又は暖房用機器」は耐用年数が6年、建物付属設備の冷暖房設備は13年(出力22KW以下)です。
会社は現在、6年で減価償却費を計算しています。これが13年で償却するとなると、会社は償却しすぎということになり、減価償却費が否認されて、税金を追加でとられることになります。
●税務署
「とにかく天井埋め込み型のエアコンは建物付属設備になりますので・・・・」
こんなやり取りをしている間に時計の針は進み、半日の調査もタイムアップになろうとしています。
■会計事務所
「もう時間ですので、そろそろ・・・」
●税務署
「あ~ もう終わりか・・・」
問題点がエアコンの件だけなため、残念そうです。
「エアコンの件は、後日先生にご連絡いたします」
■会計事務所
「はい、分かりました」
こうして、長かった調査も終わりを迎えようとしています。
To be continued
なお、実際の税務調査を再現、解説した本を出版しましたので、ぜひご購入ください。
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