税務調査と聞くと、映画の「マルサの女」の状況をイメージする人がかなりいらっしゃいます。
しかし、マルサは査察調査のことで、一般的に税務署が行う税務調査とはまるっきり別物です。
税務署が行う通常の調査では、映画のようなことはありませんので、ご安心ください。
通常の税務調査において、「調査官がどこまでやってよいのか」、つまり「調査官の要求にどこまで応じなければいけないのか」は微妙な問題です。
税務調査官には、質問検査権というものが定められています。
「税務職員は、調査について必要があるときは、納税者に質問し、又は納税者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる」
と税法で質問検査権について定められています。
そして、「この質問検査権は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」とも規定されています。
なんか、どこまで権限として認められるのかが、よく分からない規定振りです。
実際の調査でも、調査官によっては様々な要求を突きつけることがあります。
そこを納税者との間に入って、無理難題な調査官の要求から納税者をガードするのが我々の役目でもあるのです。
しかし、今回の税務調査はちょっと違いました。
社長が「せっかくの良い機会だから、調査官から要求されることはすべてオープンにして見てもらいます」と言いました。
「全部見てもらって、自分の会社をチェックしてもらいます」と言います。
「なるほど、それも一理あるな」と思いましたが、「調査官に好き勝手やらせて、平気かな?」というのも正直なところです。
■会計事務所
「社長の机の中も見せろって言うかもしれませんよ?」
▲納税者(社長)
「構いませんよ。何でも見せますよ。」
■会計事務所
「そうですか、では私は何も言いませんよ?」
▲納税者(社長)
「結構ですよ」
こうして、「調査官 何でもあり」の調査が始まりました。
To be continued
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