三原と調査官との攻防は続きます。
●税務署
「社長さぁ、チョッといい?」
▲納税者
「はい」
■会計事務所(三原)
「チョッと待ってください」
「昨日から、社長のことを さぁ をつけて呼んでいますが、それっておかしくないですか?」
「友達同士ならともかく、会社の代表者に対して、普通はそのような呼び方をしませんよね」
「会計事務所にとって納税者の方は大切なお客様です」
「そのお客様に対して、そのような言葉遣いはしないでください!」
「税務署だって同じではないのですか?」
「納税者は、税金を払ってくれる大切なお客様ではないのですか?」
「それも会ってすぐに、社長さぁ なんて言うのはおかしいです」
「社長さぁ ちょっといい」ではなくて、「社長、チョッとよろしいでしょうか」
ではないですか?
●税務署
調査官は、三原の言葉を聞いて ポカ~ン とした顔をしていましたが、自分の娘くらいの会計事務所員にお説教を受けた格好となり、気まずそうな顔つきになってきました。
「はぁ すみませんでした・・・」
■会計事務所(三原)
「それで社長に何を聞きたいんですか?」 と三原は畳み掛けます。
●税務署
「はい。あの~ この請求書の内容についてお聞きしたいのですが?」
だいぶ言葉遣いが改まってきました。
また、調査官の椅子の座り方も礼儀正しくなりました。
税務調査は、数年に1回です。
調査を受ける納税者は当然調査慣れなどしておらず、緊張して調査を受けています。
ましてや初めての税務調査となると映画の「マルサ」と同じイメージで調査に挑む納税者の方が結構いらっしゃるものです。
この不安でいっぱいの納税者を前にして、それを良いことに、納税者を威圧したり、横柄な態度や言動をしたりすることは良くありません。
この調査官は反省する必要があると思います。
そして、調査は無事終了しました。
納税者の税務処理は何も問題なく、修正事項はありませんでした。
三原が午後6時頃に事務所に帰ってきました。
■会計事務所(所長)
「お疲れ様!どうだった」
■会計事務所(三原)
「所長、すっきりしました」
「あまりにも威圧的な態度でしたから、チョッと説教をたれてきました」
■会計事務所(所長)
「調査官に?」
■会計事務所(三原)
「ええ、そうです」
■会計事務所(所長)
「あの調査官は、あなたのお父さんくらいだろう?」
■会計事務所(三原)
「はい、父と同い年でした」
今頃調査官は自棄酒でも飲んでるんだろうな・・・・
「あの生意気な小娘のやろう・・」と言いながら・・・
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。