資本金が1億円以上の法人は、法人税の申告書を税務署に提出しますが、税務調査は国税局の調査官が行ないます。
今回の税務調査は、資本金が1億円以上の法人が対象ですので、国税局の調査となります。
調査の1週間前に、この法人の経理担当者から電話が入りました。
▲納税者
「先生、大変申し上げにくいことなのですけれども、今回の税務調査の立会いに国税局のOBの先生を同席させることになりまして・・・」
■会計事務所
「いや、別に問題ないですよ。そしたら、私は立ち会わなくてもよいのではないですか?」
▲納税者
「いや、それはダメなんです。先生にも立ち会っていただかないと・・・」
「すみません。社長が取引先から紹介されたとか言って・・・こうなってしまったんです・・・すみません」
社長は、国税局のOB税理士が立ち会えば安心なのでしょう。
別にこちらとしては何も問題ありません。
普段どおりに税務調査に立ち会うだけです。
ここで、OB税理士について触れておきましょう。
税理士になるには、5科目の試験科目をすべて合格して税理士になるのと、大学院を卒業して何科目かを免除してもらって税理士になるのと、税務署に23年以上勤めて税理士になる、大きく3通りがあります。
お客様の獲得が難しくなってきた昨今では、税務署や国税局を早期退職して税理士として開業する人は、ほとんどいないそうです。
皆、定年まで勤め上げて、そのあとに税理士として登録するケースが多いようです。
ですから、税理士の平均年齢が60歳と言われるのも納得できます。
OB税理士は現在登録されている税理士の約半分だそうです。
確かに、定年後に何もしないでぶらぶらしているより、税理士の肩書きで仕事をしていた方が生活に張りがあってよいと思います。
今回の税務調査に立ち会うOB税理士は、2年位前に国税局でかなり上のクラスで退官した方のようです。
税務調査をする側の国税局の調査官もやりにくいと思います。
私は、OB税理士が同席してくれるということで、大船に乗った気分です。
どんな調査になるのでしょうか?
チョッと楽しみになってきました。
To be continued
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