輸入取引の消費税の処理は、通関書類を実際に見てそこに記載されている消費税額を拾い出して個別に処理しなくてはなりません。
ところが、現在税務調査真っ最中のこの会社の消費税の処理が間違っているようです。
輸入仕入額に単純に消費税を抜き出す式である105分の5を掛け合わせて会計ソフトで自動的に消費税が処理されています。
会社の総勘定元帳を見てすぐに分かりました。
これは会計事務所のミスです。
大変なことになってしまいました。
目の前の調査官は輸入取引の概略を納税者から聞いています。
●税務署
「すみません。お手洗いを貸していただけますか?」
▲納税者
「はい、そこを真っ直ぐに行ったところです」
調査官がちょうど席を外しました。
さっそく、事の重大さを納税者に伝えます。
■会計事務所
「チョッと大変なことになりました」
▲納税者
「え、どうしたんですか?」
■会計事務所
「実際に輸入時に支払っている消費税より多く消費税を計上して、結果的に消費税の納税額を少なく申告している可能性があることが今分かりました」
「こちらのミスです、済みません」
▲納税者
「輸入時の消費税か・・・、正直言うと消費税もチョッと操作して少なく輸入時に支払っているんだよね」
■会計事務所
「え、少なく輸入時に消費税を支払っているって、どういうことですか?」
▲納税者
「うん。アンダーバリューと言って、実際の輸入貨物の購入金額より少ない金額を税関に申告しているから、結果として輸入時に支払う消費税も少なくなっているっていうこと」
■会計事務所
「え~。そんなことやっているんですか?」
▲納税者
「うん。チョッとやばいかな?」
■会計事務所
「いや~。それはやばいんじゃないですか・・・」
「こちらの記帳ミスはミスとしても、社長がやっているのは、それはやばいですよ」
そこに調査官が戻ってきました。
調査の再開です。
いや~、もうなるようになれだ!
To be continued
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