時計の針は午後3時を回りました。
今のところ調査官から何も指摘はありません。
●税務署
「しっかりやられていますね」
「調査は今日一日で終わらせます」
「お仕事もお忙しいようですから・・・」
税務調査が今日一日で終わることになりました。
確かに経営者ひとりでやっている会社です。
1日調査すれば、だいたいのところは把握できる規模です。
「輸入仕入の書類を見せてください」
■会計事務所
「輸入仕入の資料ですね?」
納税者に必要な資料を指示して、提出します。
●税務署
「輸入は主にどこの国からするのですか?」
▲納税者
「アメリカです」
●税務署
「輸入の時には消費税の処理に注意しなければなりませんが、その辺は大丈夫ですよね?」
▲納税者
「ええ、すべて会計事務所に任せてますから平気ですよ!」
輸入の消費税の処理は、輸入事務を代行する乙仲といわれる業者からの通関書類を見て、納税済みの消費税をピックアップして会計処理します。
このように輸入にかかる消費税の処理は、かなり煩雑な手続きが必要になるため、会計事務所泣かせとなります。
■会計事務所
「この会社の消費税の処理はちゃんとやっているんだろうな・・・」と自問しながら納税者の総勘定元帳を手にして一応確認してみます。
総勘定元帳の輸入仕入高のところを開いて見ます。
「ヒョエ~、これは大変だ!」と声にはしませんでしたが、一気に体が熱くなってきました。
消費税を通関書類からひとつずつピックアップする処理をしていません。
単純に会計ソフトの自動税抜き処理により消費税がピックアップされています。
これは大変です。
しかも、総勘定元帳を見れば分かる可能性大です。
事務所のこの納税者の会計処理をした担当者の顔が浮かんできました。
「アノヤロ~、ちゃんとした処理しね~で、こんな処理しやがって・・・」
To be continued
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