パソコンを自由に触らせろと調査官が要求してきました。
今やパソコンはビジネスをするのに必要不可欠の道具です。
あらゆるビジネスの情報がパソコンに詰め込まれています。
いくら税務調査だからといって、納税者のパソコンを自由に見る権限があるのでしょうか?
■会計事務所
「何でパソコンの中身まで調査する必要があるのですか?」
●税務署
「調査の都合上、見せていただきたいのですが」
■会計事務所
「納税者が見せたくないと言っていますので、勘弁してください」
「パソコンから出力したものならお渡しします」
「今まで、パソコンを自由に触らせてくれといった調査はないのですが?」
●税務署
「それは先生が経験がないだけで、他でもやっていることですよ」
■会計事務所
「いや、そんな話は聞いたことがありません」
「拒否します」
調査官の言い方にこちらも少し切れてきました。
●税務署
「我々には質問検査権があります」
「質問検査権によりパソコンの中身を見せていただくことを要求いたします」
■会計事務所
「質問検査権?」
「質問検査権か何か知らないが、私は納税者を守る立場にありますから、この件に関しては拒否いたします」
「いったい、あなた方は何を考えているのですか?」
「こんな個人事業の納税者に対して3人も調査官が来て、そしてパソコンの中身を見せろだとか、質問検査権があるとか、チョッとおかしいのではないですか?」
「今まで要求された資料はすべて出し、突然来て調査を始めても納税者はちゃんと対応しているのに、何ですかこのやり方は」
「何かこの納税者に対して悪い先入観がおありなのではないですか?」
「課税の公平があるように、調査の公平も要求します」
だいぶ熱くなってきましたので、ここで一息、税務調査官の質問検査権について、見てみましょう。
質問検査権に関しては、所得税法で以下のように定められています。
「国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、所得税に関する調査について必要があるときは、その者に質問し、又はその者の事業に関する帳簿書類及びその他の物件を検査することができる。」
そして、質問検査権に対する罰則の規定も定められています。
「当該職員の質問検査権の規定による当該職員の質問に対して答弁せず若しくは偽りの答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ若しくは忌避した者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。」
この規定に照らし合わせると、私は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられてしまうのでしょうか?・・・・・・
To be continued
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