午前中だけ調査するということで受けた税務調査の当日です。
10時に間に合うように納税者のところへ向かっている途中に携帯電話に事務所から連絡がありました。
■会計事務所
「先生ですか、たった今納税者から連絡があって、3人も調査官が来ていると言う連絡がありました」
何?3人も調査官が来ている?
今まで調査官1人だったのに、これはどういうことだろう・・・
納税者の事務所に入ると本当に3人いました。
「おはようございます」といって名刺を調査官に差し出します。
追加の2人の調査官も同じ部門の調査官でした。
「どうしたんですか、大勢でいらして・・・」
●税務署
「いや、調査を午前中ということで言われたものですから、こちらとしても人数を投入しなければ対応できませんので」
■会計事務所
「個人事業の調査で、チョッと大げさすぎるのではないですか?」
「納税者の方もこれではびっくりしてしまいますよ」
●税務署
「それと、コンピュータに強いのを連れてきましたので、今回はお使いのパソコンの中身を見せてもらおうと思っています」
「若い方がパソコンができるものですから・・・」
■会計事務所
「パソコンの中身を見るのですか?」
●税務署
「そうです。請求書の発行はパソコンでやっているのですよね?」
「請求書のデータを実際にパソコンを操作して見させていただきたいのですが」
■会計事務所
「え、何でそんなことまでするのですか?」
「請求書の控はすべてお渡ししたのではないのですか」
「それでは不十分なのですか?」
▲納税者
「俺が請求書を改ざんしたり、2重帳簿みたいなことをやっていると思っているんじゃないの?」
「何か知らないけれど、初めから疑ってかかっていたしね」
「先生、税務調査でパソコンの中身を見せなければいけないのですか?」
■会計事務所
「いや、パソコンから打ち出した書類を見せれば十分でしょう」
「納税者が見せたくないのであれば、拒否して構いません」
「見せたくないのですよね?」
▲納税者
「当然です」
「パソコンの中身は、仕事のノウハウが詰まっていますので、自由に触らせる分けにはいきません」
「拒否します」
■会計事務所
「そういうことですので、パソコンの中身を見ることはしないでください」
●税務署
「何か見られた都合の悪いことがあるのですか?」
■会計事務所
何だこの調査官は・・・
こちらもムカついてきました。
「そういう言い方はないのではないですか?」
「書類はすべてお出ししてるのですから、通常の調査のように書類で調査してください」
「何でパソコンの中身まで調査する必要があるのですか」
こちらも語気が荒くなってきました。
To be continued
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