税務職員が予告なしで大勢会社に踏み込んできて、専属外注の餅代で争っているくらいですから、めぼしい成果がなかったのでしょう。
なんとしてでも餅代を交際費と認めさせて、ひとつの成果をあげようとして必死になっていることは間違いありません。
よくこのような状況で「おみやげで仕方ないのでは?」ということをよく耳にします。
「おみやげ」とは、税務署の調査官も調査したからには手ぶらで帰れないため、いくらかの修正事項は「おみやげ」として持たせた方が事がうまくいく、といった意味合いです。
はたして、このような「おみやげ」は本当に必要なのでしょうか?
きちんとした税務処理をしていれば「おみやげ」なんて必要ありません。
従業員や役員が必死になって働いて稼いだお金を、安易に妥協して「おみやげ」に充てるなどもっての外です。
「おみやげ」は税務署にではなく、一生懸命に働いている従業員にあげましょう!
話が横道にそれましたが、調査2日目の始まりです。
●税務署
「先生、餅代の件ですが、いかがですか?」
■会計事務所
「私の申し上げることは、昨日の考えと変わりません」
「交際費ではありません」
●税務署
「そうですか・・・」と元気がありません。
■会計事務所
「前回の調査までは、会社がでたらめなことをやってましたけれど、いまはまじめにやっています」
「調査官の立場も分かりますが、今回は私の主張する線でご理解いただけないでしょうか?」
「一年間一生懸命に働いた外注さんたちに渡した金銭が交際費とされては会社も納得できません」
「今後はこのような誤解されるような支給の仕方ではなく、きちんとした形での支給に改めますので、今回だけはお願いできないでしょうか?」と頭を下げます。
主張ばかりではなく、下手に出て調査官に訴えます。
●税務署
「・・・・」
「わかりました」
「今回は、会社処理を認めます」
■会計事務所
「ありがとうございます」と深々と頭を下げます。
これで一件落着です。
あ~、よかった。
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