仮名口座とは、他人の名前で作成した銀行口座のことです。
なぜ、他人の名前の銀行口座を使ったのでしょうか。
それは、表に出せないお金を銀行に預けるからです。
いわゆる裏金です。
貸し金庫にあった仮名口座の通帳を持って銀行に同行していた調査官が戻ってきました。
社長も一緒です。うなだれて調査官の後から事務所に入ってきました。
■会計事務所
「社長、こんにちわ」
▲納税者(社長)
「あ、先生来てたんだ」
声に力がありません。目もうつろです。
●税務署
「社長、この通帳はいったいどういうことですか?説明してください。」
▲納税者(社長)
「よく分からねえよ!」
●税務署
「分からないことないでしょう」
「自分の貸し金庫に入っていたのだから」
「すっとぼけないでくださいよ」
▲納税者
「ん~。何でかな~」
●税務署
「社長、いい加減にしなさいよ」
「自分の貸し金庫に入っているものが何かも分からないなんて言わせませんよ」
「ちゃんと話してもらわないと困ります」
▲納税者
「いや、他人の通帳を預ってただけですよ」
●税務署
「預っていただけ・・・」
調査官がムッとした表情になりました。
「預っていただけというなら、その預けている本人に確認しましょう」
「どうですか?社長」
▲納税者
「・・・・・・・・・」
●税務署
「どうしたんですか?」
「今から会いに行きましょうよ! 社長」
「単に預っているだけなんでしょ?」
▲納税者
「・・・・・・・・・」
●税務署
「社長。いい加減なことを言っちゃダメだよ」
「これは裏金でしょう?」
「どうなんですか!!」とドスのきいた声で畳み掛けます。
▲納税者
「裏金なんかじゃない」
「俺の金だ」
To be continued
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