総勢17人もの調査官が会社や社長の自宅にいっせいに調査に入り、捨てたゴミをひっくり返したり、ありとあらゆる書類を確認したりしています。
責任者らしき調査官が、指揮を執っていましたので声を掛けます。
■会計事務所
「税理士の○○です」
●税務署
じろっとこちらを見て名詞を差し出しました。
「おまえもグルになってやっていたんだろう」というような見下した目をしてこちらを見ています。
税務申告書には私のサインがしてあり、税務署としては通常の顧問税理士と考えるのは当然です。
こちらが、決算だけの関与であることを知らないのでしょう。
■会計事務所
「何かあったのですか?」
●税務署
「何もなければこのような調査はしないのですが、現在その確証を得るためにこのような人数を投入して調査しているところです」
■会計事務所
「全員国税局の方ですか?」
●税務署
「いや、所轄の××税務署からの応援の調査官もいます」
■会計事務所
「しかし、これはただ事ではないですね」
●税務署
「そうですね。われわれの部署(国税局資料調査課)でも、年間に調査対象となる法人はひとつの部門で30社前後ですから、慎重な下調べをして調査対象会社を選定していることは間違いありません」
■会計事務所
「ところで現在はどんな状況ですか?」
●税務署
「貸し金庫の鍵が社長さんの自宅にあったものですから、社長さんに同行してもらって銀行に行っているところです」
「もうしばらくしたら、連絡が入ると思いますが」
そこで、ちょうど調査官の携帯電話が鳴りました。
「仮名の通帳が出てきた?」
「あそうか、分かった、ご苦労さん」
「それでは、会社に戻ってきてくれ」と言って電話を切りました。
「先生、仮名口座が出てきたみたいですよ」とこちらを厳しい目で見ながら言いました。
いったい会社は何をしていたのだろう・・・・
To be continued
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