週刊税務調査日記

しゃべりまくった調査(5)

第66号 2003/6/23

とにかく話題を振ります。

■会計事務所

「好きな食べ物は何ですか?」

「趣味は何ですか?」

そして、時には独善的な考え方を一方的に話し始めます。

「最近の学校教育について、どのように思いますか?」

●税務署

「学校教育ですか・・・?」

■会計事務所

「わたしは、学校の先生がかわいそうだと思います」

▲納税者

「え、なんでですか?」

納税者もちゃんと心得ていて、合いの手を入れます。

■会計事務所

「そもそも学校とは・・・」

と自説を長々としゃべりまくります。かなり時間を稼げます。

そうこうするうちに正午近くなりました。

「食事に行きましょうか?」

●税務署

「いえ、私は1人で食べますから・・・」

■会計事務所事務所

「そんなこと言わないで、食事くらい一緒に行きましょうよ」

▲納税者

「そうよ、ここら辺はあまり食べるところもないし」

基本的に調査官が食事を一緒にすることは稀です。

食事をご馳走になって、あとから納税者に「タダで食べた」とでも言われるのを避けるためなのでしょうか?

なんか世知辛い世の中となっています。

今回の調査官は快く一緒に食事をしていただきました。

案内されたところは、うなぎ屋さんでした。

納税者の方も、うなぎをおいしそうにほおばっています。

あんなことをしておきながら食欲旺盛です。たいしたものです。

食事も終わり、午後の調査の開始です。

●税務署

「校正のお仕事をかなり外注に出していますね」

▲納税者

「はい・・・出しています・・・」

か細い声です。

うなぎを食べた元気がどこかに行ってしまいました。

さあ、どうなることやら・・・・

             To be continued

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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