「校正のお仕事をかなり外注に出していますね」
と、調査官から聞かれて納税者は心中穏やかな状態ではありません。
▲納税者
「はい・・・」
●税務署
「支払はどのようにしていますか?」
▲納税者
「現金で支給しています」
●税務署
「領収書は取っていますか?」
▲納税者
「はい、とっています」
●税務署
総勘定元帳を見ながら、「この支払の領収書を見せてください」
▲納税者
「え~、田中さんですね。え~領収証、領収書は・・・」
と言いながら、書類の綴りをパラパラめくっています。
田中さんという外注先が名前だけですと、ここで完全にアウトです。
「あ、ありました。これです。」
と領収書を取り出して調査官に渡しました。
●税務署
調査官は、領収書を手にして田中さんの住所などをメモしています。
「この報酬の計算の根拠となった資料はありますか?」
▲納税者
「はい、単価が決まっていますので計算書はあります」
「これです」と言って調査官に手渡しました。
●税務署
計算書をじっと見ています。
「はい、結構です」と言って、資料を返しました。
田中さんは本物みたいです。セーフです。
■会計事務所
「更正の仕事って、具体的にどのようにやるのですか・・・」
と、話題を振ります。
▲納税者
「更正の仕事ってね~・・・」と納税者はうれしそうに話し出しました。
もう、外注先のサンプルチェックは終わりなのでしょうか。
終わりにすべく、納税者はしゃべりまくっています。
刻々と時間は経過していきます。
そして、4時半になりました。
最終ラウンドのゴングが鳴り、試合終了です。
納税者の反則勝ち・・・?でしょうか・・・困ったものです。
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