週刊税務調査日記

調査の立会いを依頼された調査(8)

第60号 2003/5/12

その後、調査官から事務所に連絡がありました。

●税務署

「先日は、ありがとうございました。」

■会計事務所

「こちらこそ、失礼いたしました。」

まずは丁重に接します。

●税務署

「まず、役員報酬の増額の件ですが?先生のお考えを・・・」

■会計事務所

「役員報酬を増額した時の議事録がないということですが、前にも申し上げましたとおり、それだけのことで問題にするようなことではないと考えています。」

「有限会社の社員(出資者)は取締役である代表者本人だけです。その本人が自ら決めたのですから、よろしいのではないでしょうか。」

●税務署

「では、外注費として職人に支払った分の消費税の扱いについてはいかがでしょうか?」

■会計事務所

「これについても、職人との契約は実質請負契約であり、消費税計算上、何も問題はないものと考えています。」

「以上です。」

●税務署

「そうですか・・・」

■会計事務所

「以上のように考えていますので、再度ご検討の上ご連絡ください」

と言って、電話を切りました。

あとは、先方の連絡を再度待つだけです。

その日の午後、調査官から連絡がありました。

●税務署

「もしもし。統括官とも相談したのですが、こちらとしての結論が出ました。」

「修正事項を今FAXいたしますので、ご覧になってください。」

■会計事務所

FAXが税務署より送られてきました。

役員報酬の増額の件も、外注費の消費税の件もFAXには触れられていません。

売上の期間のズレとその他細々とした修正事項が2つくらいでした。

追加納税額で15万円くらいです。

折り返し税務署に連絡します。

「FAXの内容で結構です。さっそく修正します。」

納税者の方にも連絡します。

「追加納税額15万円くらいです。期間のズレのものがほとんどですから、税金を取られっぱなしということではなく、今期払うか、来期払うかの違いだけのものがほとんどです。」

▲納税者

「本当にそれだけでよいのですか?」

「先生が来る前は調査官は数百万円の追加納税と言っていたのに・・・」

というわけで一件落着です。

納税者にとっては、税務署というところが益々不可思議なところと理解されるのでしょうね。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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