調査官が用意した書類は、よく税務書籍に載っているものです。
雇用契約か請負契約であるかを判断するための要件が記載されています。
以下のとおりです。
(1)契約の内容が他人の代替を許容するものであるかどうか。
契約で自分以外の者に仕事を再委託することが禁止されていると、給与(雇用
契約)とされます。
(2)仕事をするにあたって個々の作業について指揮・監督を契約先の会社から受け
るかどうか。
指揮・監督を契約先の会社から受ける場合は給与(雇用契約)とされます。
(3)請負業務が未完成であっても報酬が支払われるか。
まだ引渡しを終わっていない完成品が不可抗力のため滅失した場合等において、
その者が権利として報酬の請求をすることができるか。
報酬の請求権がある場合は給与(雇用契約)とされます。
(4)原材料・作業用具は契約先から提供されるか。
契約先から材料や作業用具を無償で支給されている場合は給与(雇用契約)と
されます。
(5)交通費等の諸経費は誰が負担しているか。
会社が負担している場合は給与(雇用契約)となります。
以上です。
税務では上記の要件を総合勘案して雇用契約か請負契約かを判断することになっています。
■会計事務所
「さて、これらの要件に当てはめてみましょう」
「まず、契約の内容が他人の代替を許容するものであるかどうかですが、職人さんと契約はありますか?」
▲納税者
「契約はありません」
■会計事務所
「契約がないと言っていますが、この場合どうしましょうか?」
●税務署
「ん~」
■会計事務所
「では次にいきましょう」
「個々の作業について指揮・監督を会社から受けますか?」
▲納税者
「ほとんど職人に任せます」
■会計事務所
「そうですか。ではこれはシロですね」
「請負業務が未完成であっても報酬は支払われますか?」
▲納税者
「ちゃんとやんなきゃ払いませんよ」
■会計事務所
「これもシロですね」
「次は・・・」
●税務署
「ちょ、ちょっと待ってください。そんな簡単に判断されても・・・」
■会計事務所
「じゃ、どうしろと言うのですか!」
と少しいらいらした調子で言い放ちました。
To be continued
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