週刊節税教室

平成23年度の査察の概要

法人税・所得税
第412号 2012/7/25

☆質問

「単純な質問なんですけれど、税務調査ってよく言うマルサのことですよね?」

★回答

「いいえ違います」

「税務調査は任意での調査で、マルサは査察のことで、こちらは強制調査になります」

☆質問

「そうなんですか」

「強制調査である査察が来たら大変なことなんですね?」

★回答

「そうです」

「査察=脱税の捜査です」

☆質問

「査察って、どのくらいの割合で来るのですか?」

★回答

「東京国税局管内(千葉、東京、神奈川、山梨)で平成23年度の査察の着手件数は70件です」

☆質問

「え~たったの70件?」

★回答

「そうです」

「査察は念入りな内定捜査をしたうえで、法人税法違反等で検察庁へ告発することを目的に着手するため、慎重な捜査になるのでしょう」

☆質問

「70件着手して、検察庁に告発した件数は何件になるのですか?」

★回答

「42件です」

☆質問

「告発率は60%ですね」

「脱税額はどのくらいなのですか?」

★回答

「23年度での脱税額は78億円で、そのうち告発されたのが64億円ということです」

☆質問

「1件当たり平均すると1億5,200万円ですね」

「税金別の告発件数はどのようになっていますか?」

★回答

「法人税が29件、所得税が12件、消費税が1件です」

☆質問

「告発の多かった業種は何になりますか?」

★回答

「例年、不動産業が上位に来るのですが、平成23年度はインターネット関連業が一番多く、次に食料卸業、建設業といった順番です」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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