週刊節税教室

アパートの共有

所得税・相続税
第413号 2012/9/3

☆質問

「母が亡くなり、私と妹の2人が相続人となりました」

「相続財産としては自宅とアパートがあります」

「自宅は私が相続し、アパートについては妹と2人で相続することを考えています」

「アパートを共有で取得するのは良くないというアドバイスを知人からもらったのですが、本当ですか?」

★回答

「確かに不動産を共有するよりは、1人で単独所有した方が、自由度が格段に違います」

☆質問

「共有すると不自由になるということですか?」

★回答

「そうです」

「たとえば、アパートをあなたが売却したいと思っても、共有者である妹さんが同意しなければ売ることもできません」

☆質問

「なるほど」

「相続したアパートを担保に銀行から融資を受けて、新たな不動産を取得しようと考えていますが、この場合も妹の同意が必要ですか?」

★回答

「必要です」

「共有不動産を担保提供するにも共有者全員の同意が必要になります」

☆質問

「確かに不自由ですね」

「でも共有していることのメリットもありますよね?」

★回答

「あります」

「アパートを取得すると不動産所得が生じますが、青色申告の場合、部屋数が10部屋以上あると65万円の青色申告特別控除が適用できます」

「相続したアパートの部屋数はいくつありますか?」

☆質問

「12部屋あります」

「しかし、妹と半分ずつの持ち分での共有にすると、部屋数のカウントも半分の6部屋となってしまうのですか?」

★回答

「いいえ、半分ずつの共有でも各自12部屋持っているとされて、あなたも妹さんも青色申告をすれば65万円の特別控除が各々適用できます」

☆質問

「それは節税になりますね」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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