☆質問
「インターネットのホームページで究極の節税策といったキャッチフレーズで集客しているサイトがあります」
「究極の節税策って、本当にあるのですか?」
★回答
「実際に生命保険を利用して、会社から個人に資金を移動でき、かつ税金も安くなる方法があります」
☆質問
「え~ 本当なんだ~」
「具体的にどのようなスキームなのですか?」
★回答
「保険期間が3年とか5年の短期の養老保険で、契約者を法人、死亡保険金の受取人を法人、満期保険金の受取人を法人役員として契約します」
☆質問
「法人が負担する保険料の扱いはどうなりますか?」
★回答
「保険料の半額が法人の経費に、残りの半額が役員への貸付金となりま
す」
☆質問
「満期が来るとどうなるのですか?」
★回答
「満期保険金は法人役員に支払われ、法人役員の一時所得になります」
☆質問
「一時所得だと、受取保険金額から支払った保険料を控除した額から50万円を控除した額の2分の1が課税の対象になりますよね?」
★回答
「そのとおりです」
「ここで問題になるのが、一時所得を計算する場合の受取保険金額から控除する保険料の額なのです」
☆質問
「普通に考えれば法人役員が負担する保険料、つまり法人が支払った保険料の半額だけが受取保険金から控除できると思いますが」
★回答
「税法で具体的な規定がないことから、究極の節税策では法人の経費になる保険料まで受取保険金から控除して申告するのです」
☆質問
「法人が負担して経費とされた保険料も一時所得の計算で引けるとなると、法人で税金が安くなり、かつ、満期保険金を受け取った法人役員の税金もかなり安くなって、資金が法人から個人に移転することになりますね」
★回答
「そのとおりです」
「このスキームは、納税者と国が裁判をやっていて、地裁と高裁では納税者が勝訴していて、現在国側が最高裁に上告しています」
☆質問
「そうなんですか・・・」
★回答
「平成23年度の税制改正では、このスキームを封じ込める目的で、一時所得の計算で受取保険金から控除できる法人負担の保険料は、法人役員に対して給与課税されたものに限るとする改正が検討されています」
☆質問
「そうすると、法人が単純に支払保険料として損金処理した保険料については、一時所得の計算上控除できないということですね?」
★回答
「そのとおりです」
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