週刊節税教室

グループ法人税制-配当の益金不算入

法人税
第388号 2010/8/3

☆質問

「会社が株式配当金をもらうと、よく2重課税であると言われますが、これはどのような意味ですか?」

★回答

「会社が配当金として株主に支払うお金は、会社の利益に法人税等が課税された後の利益から支払います」

「配当金を受け取った法人株主では、配当金は売上とともに収益となり、それに法人税等が課税されると、法人税等が配当金を支払った会社と受け取った会社とで、2回課税されるので2重課税であると言われるのです」

☆質問

「なるほど」

「で、法人税では、この2重課税に対して何か制度を設けているのですか?」

★回答

「受取配当の益金不算入という制度を設けています」

☆質問

「受取配当の益金不算入ということは、会社が受け取った配当金は、会社の益金に算入しないということですね?」

★回答

「基本的にはそういうことなのですが、配当金を支払う会社と配当金をもらう会社との関係度合いにより、3パターンの益金不算入があります」

☆質問

「では、まず第1のパターンは?」

★回答

「両社が完全支配関係(100%支配)にあるグループ会社で、配当金の額の計算期間を通じて一方の会社が株式を所有していた場合は、配当金は全額益金不算入となります」

☆質問

「パターン2は?」

★回答

「25%以上の株式を、配当金の効力発生日以前6ヵ月以上引続き保有している場合は、その保有している株式に対応する借入利息相当額を、配当金から控除した額が益金不算入になります」

☆質問

「最後にパターン3は?」

★回答

「上記の2つのパターン以外の配当金で、配当金から保有する株式に対応する借入利息相当額を控除した額の50%が益金不算入となります」

☆質問

「なるほど、会社と会社の密接度が強いと配当の益金不算入となる金額が多くなり、密接度が低くなると少なくなるのですね?」

★回答

「そのとおりです」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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