☆質問
「何らかの理由で親が死亡したり、病気や事故等で親が就労できないことから、経済的に困っている子供たちを支援するための会に寄付をしようかと思っています」
★回答
「あしながおじさんになるということですね」
「すばらしい考えだと思います」
☆質問
「あしながの団体に寄付をしようかと思い調べてみると、あしなが育英会と交通遺児育英会(あしながおじさん)という2つの団体がありました」
★回答
「前者は交通事故以外の原因で経済的に困窮している子供たちが対象で、後者はその名のとおり交通遺児を対象としています」
☆質問
「どうも寄付金の税金上の扱いが、両者で違うようなのですが、どのようなことなのでしょうか?」
★回答
「会の組織形態の違いにより寄付をする側の税金の扱いが違ってくるのです」
☆質問
「まず、あしなが育英会について教えてください」
★回答
「あしなが育英会は、民間の任意団体ということで、個人がこの団体に寄付をしても寄付金控除により税金が安くなることはありません」
「任意団体とは、法人格を持たない一定の目的のために人が集まった団体で、マンションの管理組合や町内会も任意団体となります」
☆質問
「交通遺児育英会はどうですか?」
★回答
「交通遺児育英会は財団法人で法人格を持っています」
「国から特定公益増進法人として認定されているので、個人が寄付をすると寄付金控除が適用されて、税金が安くなります」
「また、交通遺児育英会に相続財産を寄付することにより、相続税が安くなることもあります」
☆質問
「相続税も安くなることがあるのですか?」
★回答
「あります」
「被相続人が遺言状で交通遺児育英会に寄付することを記載して寄付したり、相続人が交通遺児育英会に寄付をすると、寄付した相続財産は相続税の課税対象となりません」
☆質問
「でも、例えば相続人が相続財産である土地建物を交通遺児育英会に寄付すると、寄付した相続人は時価で土地建物を譲渡したものとみなされて所得税がかかるのではないですか?」
★回答
「以下の3つの要件を備えていれば、所得税は非課税になります」
(1)寄付が教育科学の振興、文化の向上、福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること
(2)寄付した財産が寄付してから2年以内に寄付を受けた法人の公益を目的とする事業の用に直接供されること
(3)寄付した人の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄付した人の親族その他特別の関係がある人の相続税や贈与税の負担を不当に減少させる 結果とならないこと
☆質問
「最後に、法人があしなが育英会と交通遺児育英会に寄付した場合の、税務上の違いはありますか?」
★回答
「あしなが育英会へ寄付すると、その法人は一般寄付金の損金算入限度額までその寄付金が法人の損金となります」
「交通遺児育英会に寄付すると、その法人は一般の寄付金の損金算入限度額と同額までを別枠で損金に算入することができます」
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