週刊節税教室

工事進行基準の適用(2)

法人税
第334号 2008/7/22

☆質問

「工事進行基準って、工事完成基準に比べて早い決算時期に売上を計上することになりますよね?」

★回答

「そうです」

☆質問

「ということは、税金を早く支払わなくてはならないから不利な方法ですよね?」

★回答

「確かにそのとおりです」

「長期大規模工事に該当する場合には、工事進行基準の適用が強制されますので、税金が不利になっても仕方のないことですが、長期大規模工事以外の場合では、工事進行基準の適用は任意ですので、税金の損得を考えなくてはなりません」

☆質問

「そうすると、売上が前倒しで計上される工事進行基準を任意で適用する会社なんてないのではないですか?」

★回答

「利益の出る工事であればそういえますが、損失が出る工事であれば、そうとはいえません」

☆質問

「工事による損失が工事進行基準により先行計上されれば、確かに節税になりますね・・・」

★回答

「そうです」

「税制改正前は、損失が出る工事に対しては、工事進行基準の適用が制限されていたのですが、改正により制限がなくなりました」

☆質問

「まぁ はじめから損をする工事なんて通常は受注しませんが、諸々の事情から損が出る工事を受注した場合には、工事進行基準の積極的な適用もあり得ますね」

★回答

「そうですね」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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