☆質問
「妻は20年間監査役として会社の経理・総務業務をやってきました」
「いままで会社のためによく働いてくれたのですが、本人が自由な時
間をそろそろ欲しいということで、監査役を辞任することにしました」
「そこで退職金を支給したいと思います」
★回答
「なるほど、今までの功績に応じた退職金の支給をされたらよろしいの
ではないでしょうか」
☆質問
「しかし、困ったことに、会社の状態がよくなかった時期に役員報酬を
引き下げてしまい、それがそのままとなっているのです」
★回答
「現在は毎月いくら支払っているのですか?」
☆質問
「月額8万円です」
「したがって、一般的な功績倍率方式で退職金の計算をすると、退職
金額が少なくなってしまうのです」
★回答
「一般的な功績倍率方式ですと、最終月額報酬に勤続年数を掛けて、
それに2倍といった功績倍率を掛けますからね」
☆質問
「そうなんです」
「8万円に勤続年数20年を掛けて、功績倍率2倍を掛けても320万円
にしかなりません」
「私と一緒に朝から晩まで会社を20年間支えてくれたのに、320万円
の退職金では実態に合っていません」
「何か良い方法はありませんか?」
★回答
「確かに一般的な功績倍率方式ですと、最終月額報酬をもとに退職金
を計算しますが、それが実態にあっていない場合は、別の金額を基に
計算することもあるわけです」
☆質問
「最終月額報酬以外の金額を基に計算できるということですか?」
★回答
「そうです」
「報酬を引き下げる前の報酬月額や、退職までの平均報酬月額でも実
態に合った合理的な計算根拠となるものであれば、採用することができ
ます」
「誰も、最終月額報酬が絶対的なものとは言っていないわけですから」
☆質問
「要は、退職金の決め方よりも、退職した役員の勤務実態や会社への貢
献度に合った金額であればよいということですね?」
★回答
「そのとおりです」
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。