週刊節税教室

不動産会社の営業

法人税・所得税
第296号 2007/9/25

☆質問

「ワンルームを5部屋所有しているサラリーマンです」

「給与がかなり高額なため、ワンルームを購入して賃貸することにより、

不動産所得の損失を給与所得と損益通算して、節税をしながら財産を

増やしていっている状況です」

★回答

「不動産所得の損失は給与所得と相殺できますので、確かに税金は

その分少なくなります」

☆質問

「しかし、借入金が増えてしまったことに加えて、購入後の物件価格の

下げがきつく、ちょっと将来に不安を抱えてます」

★回答

「そうですね、少子化で賃貸も付きにくくなっていますから・・・」

☆質問

「このような状況で、最近不動産会社の営業の人から不動産管理会

社の設立を持ちかけられています」

★回答

「どのような内容ですか?」

☆質問

「更に物件を購入して、今までのワンルームとともにすべての物件を、

不動産管理会社にサブリースしろと言っています」

★回答

「サブリース、つまりあなたと不動産管理会社との間で賃貸借契約を

締結して、不動産管理会社は借り受けた物件を更に賃貸に出すとい

う契約ですね」

「家賃保証契約または一括借り上げ契約、転貸契約方式と言われる

ものです」

☆質問

「そして、不動産管理会社に落ちる管理料、つまり不動産管理会社が

建物を借りてそれを貸す差額が管理会社の収入となるのですが、そ

の収入は、いろいろな経費を使えばなくなってしまうから、結果として

節税になると言っていました」

★回答

「不動産管理会社を設立して、サブリース方式で管理会社に管理料を

落とすのも、家賃の15%くらいが上限です」

「例えば、年間家賃収入が500万円あれば、その15%の75万円が管

理会社の収入になります」

☆質問

「そしたら、その75万円を不動産会社の営業の人が言うように、交際

費や何やらで経費として使ってしまったらよいのですね」

★回答

「それはダメです」

「会社の経費は、会社の収入を得るために必要なものだけです」

「物件を管理したり、入居者を募集するための経費は自ずとたかが知

れていますよね」

☆質問

「それはそうですね」

★回答

「しかし、会社ではいろいろな節税方法がありますから、それらを駆使

すれば効果があるかもしれません」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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