週刊節税教室

平成19年度税制改正 (1)

法人税・所得税・相続税・贈与税
第260号 2006/12/18

☆質問

「15日の朝刊に税制改正大綱が発表されたとありましたが、内容はどの

ようなものであったのですか?」

★回答

「法人税関係の改正が多かったです」

「中小事業者に特に関係する改正について説明します」

☆質問

「お願いします」

★回答

「まず、今回の大綱を見て、ええ~ と思ったのが、特殊支配同族会社に

関する改正です」

☆質問

「業務主宰役員の役員報酬にかかる給与所得控除額相当額を法人の利

益に加算するという制度ですよね?」

★回答

「そうです。平成18年度の改正でできた新しい制度で、実質的にこの制

度が適用されるのは、来年の3月決算の法人からとなります」

「それなのに、この制度にもう大きな改正がありました」

☆質問

「どんな改正ですか?」

★回答

「過去3期における業務主宰役員報酬の平均額と法人の所得の平均額

の合計が800万円以下であると、この制度は適用除外になります」

☆質問

「そうです」

★回答

「今回の改正では、この800万円が倍の1,600万円に引き上げられました」

☆質問

「これは朗報ですね」

★回答

「そうですが、1年経って適用除外金額が倍になるなんて、初年度は何だ

ったんだ?という感じです」

「改正の理由としては、中小企業の活性化の観点からということみたいで

す」

☆質問

「理由はともかく、良かったです」

★回答

「次に留保金課税の適用除外です」

☆質問

「同族会社で、利益を多く出すと、その内部留保利益に対して通常の法人

税とは別にかかる法人税ですよね。留保金課税って?」

★回答

「そのとおりです」

「この留保金課税が、資本金1億円以下の会社について適用が除外され

ました」

☆質問

「わ~よかったです」

なお、アトラスNEWSで平成19年度税制改正大綱の解説をしています。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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