週刊節税教室

平成19年度税制改正 (2)

法人税・所得税・相続税・贈与税
第261号 2006/12/25

☆質問

「税制改正大綱の内容について引き続き説明をお願いします」

★回答

「減価償却制度の抜本的見直しがありました」

☆質問

「固定資産等を取得した場合に、一度に経費になることなく、税法で定め

られた使用可能期間である耐用年数に亘って経費とするのが、減価償

却ですよね?」

★回答

「そのとおりです」

「そして、減価償却費の計算には定率法と定額法のふたつの方法があり

ます」

「500,000円で買った備品の耐用年数が5年とすると、次のように計算され

ます」

・定率法による1年目の減価償却費

    500,000円×0.369=184,500円

・定額法による1年目の減価償却費

    500,000円×0.9×0.2=90,000円

☆質問

「今回の改正でどのようにこの計算方法が変わるのですか?」

★回答

「平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については、次のような

計算になります」

・定率法による1年目の減価償却費

    500,000円×0.5=250,000円

・定額法による1年目の減価償却費

    500,000円×0.2=100,000円

☆質問

「減価償却費が増えるのですね?」

★回答

「そのとおりです」

「定額法においては、耐用年数5年の償却率(0.2)に0.9を乗じて計算して

いたのですが、改正後は0.9を乗じません」

「定率法における耐用年数5年の償却率は0.369でしたが、改正後は定額

法の償却率(0.2)を2.5倍した率が定率法の償却率になります」

「ですから、0.2×2.5で定率法の5年の償却率は0.5になるのです」

☆質問

「減価償却費が増えるということは、経費が増えるということだから、かなり

の減税になるということですね?」

★回答

「そのとおりです」

本年最後のメルマガとなりましたが、今年も私の拙い文章を我慢強く読ん

でいただきまして、誠にありがとうございました。

来年も宜しくお願い申し上げます。

皆様、良い年をお迎え下さい!

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為