☆質問
「商店街でアーケードを導入しようとしています」
「費用として90万円かかります」
「当社としては、一度に支払える額ではないので、分割払いにしてもらおうと
考えているのですが、どのようにしたら税金が得ですか?」
★回答
「お問い合わせの費用は税務上の繰延資産に該当します」
☆質問
「繰延資産?」
「それってどのようなものなのですか?」
★回答
「繰延資産とは、その支払った効果が1年以上に及ぶ支出です」
「商店街のアーケードは、長年に亘って効用があるものです」
「ですから、その負担金として支出した金額は、支出した時に全額損金にな
るのではなくて、繰延資産としてその効用がある期間に亘って損金とするの
です」
☆質問
「車とか器具備品の減価償却と似ている考え方ですね」
★回答
「そうです、基本的な考え方は一緒です」
☆質問
「それで、分割払いはどのようにしたらよいのですか?」
★回答
「分割払いを3年以内にした方が税金が得です」
☆質問
「それはどうしてですか?」
★回答
「具体例で説明しましょう」
「この繰延資産の償却期間を5年とします」
「年30万円の3年分割払いにすると、総額である90万円の5分の1ずつの
減価償却費を損金として毎年計上できます」
「つまり、毎年18万円を5年間減価償却費として計上できるのです」
☆質問
「なるほど」
「では、年18万円の5年分割払いにすると、どうなるのですか?」
★回答
「1年目の減価償却費は18万円の5分の1である3.6万円」
「2年目の減価償却費は2年間の分割払い額36万円の5分の1である7.2
万円」
「3年目は3年間分割払い額54万円の5分の1である10.8万円が減価償却
費として損金になります」
☆質問
「3年間で前者が54万円の損金が計上できるのに、後者は半分以下の21.6
万円しか損金に計上できない計算ですね?」
★回答
「そのとおりです」
「税法の規定で、税法上の繰延資産をおおむね3年以内で分割払いしたとき
には、未払い額を含めた総額を減価償却計算の対象にできるとさだめている
ことによるからです」
☆質問
「なるほど」
「分割払いの年数でこんなに違うとは思いませんでした」
なお、アトラス総合事務所のホームページで、役員報酬の改正について
解説していますので、ご覧になってください。
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