☆質問
「父親が所有している土地の上に、子供の会社がアパートを建てて、
そのまま何もしないと、父親から子供の会社に借地権が贈与された
ものとして、会社に借地権の受贈益が計上されるということを、前回
は教えてもらいました」
「会社に借地権が発生するということは、父が所有する土地の価値
は、借地権の分だけ減少したということになるのですか?」
★回答
「そのとおりです」
「土地の時価が1億円で、その地域の借地権割合が70%とすると、
アパートを建てる前の土地の評価は1億円でしたが、会社がアパー
トを建てた後の土地の評価は、借地権の評価額7千万円を減額した
3千万円の評価になります」
☆質問
「ということは、父の相続税対策になるということですね?」
★回答
「そのとおりです」
「あなたの会社は黒字経営ですから、会社に借地権が帰属して多
額の受贈益が計上されると、会社で多額の税金を払うことになり、
相続税対策とは言え、あまり現実的な方法ではありません」
「しかし、会社経営が大赤字で、繰越欠損金が多額にあるような場
合はどうでしょうか?」
☆質問
「会社に繰越欠損金が多額にある場合ですか?」
「繰越欠損金があるということは、欠損金の額まで利益が出ても税
金がかからないということだから・・・借地権が会社に帰属して多額
の受贈益が計上されても、欠損金の範囲内であれば、税金は発生
しないということか・・・」
★回答
「そうです。そのとおりです。」
「お父さんの土地の評価は7割下がり、借地権が帰属したあなたの
会社には税金もかからないということです」
☆質問
「かなりの相続税対策になりますね?」
★回答
「そうですね」
「借地権が帰属した会社は、あなたが全株式を所有していますから、
実質的にお父さんからあなたに土地の70%が贈与されたのと同じ
効果があることになります」
☆質問
「それで、税金がかからないのですからかなりの節税ができるわけ
ですね」
★回答
「お父さんにも、会社にも税金がかからないで、土地の70%を子供
に移転できるのですから効果はありますよね」
つづく
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