☆質問
「父親が持っている土地の上に、子供である私が所有する会社で、ア
パートを建てようと思っています」
「何か税務上で問題になることはありますか?」
★回答
「あります」
「借地権の問題です」
☆質問
「借地権?」
★回答
「土地に対する権利について、大きく所有権と借地権に分かれます」
「所有権は、その土地の持ち主であり、土地の登記名義人です」
「一方、借地権とは、その土地の持ち主ではないが、その土地を独
占的に使用することができる権利のことです」
☆質問
「その土地を独占的に使用できる権利ですか・・・」
★回答
「そうです」
「お父さんの土地にあなたの会社でアパートを建てたら、その土地は
あなたの会社が独占的に使用できますよね?」
☆質問
「ええ、確かにそうなります」
「すると私の会社が借地権を取得することになるのですか?」
★回答
「そうです」
「そして、本来であれば借地権の対価としてお父さんにお金を支払わ
なければならないのです」
☆質問
「え~ そんなお金はありません」
★回答
「借地権の代金をお父さんに支払わなくても、事実としてあなたの会社
所有の建物がお父さんの土地の上に建ったら、あなたの会社に借地
権が帰属することになるのです」
☆質問
「へ~ お金も支払っていないのに、私の会社が借地権を取得するなん
て、すごいですね?」
「何か儲けた感じですね・・・」
★回答
「そうです」
「あなたの会社は、タダでお父さんから借地権を譲り受けたことになり
ます」
「つまり、お父さんが借地権をあなたの会社に贈与したことになるので
す」
☆質問
「タダより怖いものはないと言いますから、いやな予感がします」
★回答
「そうです、予感的中です」
「あなたの会社は、お父さんから借地権を贈与されたのですから、何
もしなければ、借地権の受贈益という収益が計上されてしまいます」
☆質問
「いくらくらいの受贈益が会社で計上されるのですか?」
★回答
「お父さんの土地の時価が1億円で、その地域の借地権割合が70%の
場合、7千万円の受贈益が会社で計上されます」
☆質問
「ヒィエ~」
「そんなに会社で利益が出たら、とても税金を払えません」
「何とかしてください」
つづく
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