☆質問
「小さな会社を経営していますが、従業員の定着率が悪いので、永年勤続
表彰制度でも作ってみようかと思います」
「税務上の扱いを教えてください」
★回答
「終身雇用制度が次第になくなりつつある時代ですが、経営者にとっては
従業員に長く勤めてもらいたいものです」
「永年勤続表彰がどれだけ効果があるか分かりませんが、税務上の取扱
が定められています」
☆質問
「どのように定められているのですか?」
★回答
「永年勤続表彰の対象者は従業員のみならず、役員も対象になります」
「そして、支給するものは旅行、観劇等への招待、記念品の支給で、勤続
期間等に照らして、社会通念上相当と認められる額です」
☆質問
「記念品の支給ですが、金銭での支給はダメなのですか?」
★回答
「金銭を支給すると賞与として所得税・住民税が課税されます」
「役員については役員賞与となり、会社の経費にもなりません」
☆質問
「商品券はどうですか?」
★回答
「商品券も金銭の支給と同じ扱いです」
☆質問
「では、旅行券はどうですか?」
★回答
「旅行券はOKです」
「しかし、旅行券を使って旅行に行ったという事実(旅行会社の領収書等)
を会社に提示する必要があります」
☆質問
「旅行券もギフト券と同様にチケットショップで換金できますから、実際に
旅行に行ったという証明が必要であるということですね?」
★回答
「そのとおりです」
☆質問
「永年勤続表彰を入社時から5年目から取り入れようと思いますが、問題
はないですよね?」
★回答
「いいえ、問題があるのです」
「税法では、おおむね10年以上の勤続年数の者を対象にする必要がある
としているのです」
☆質問
「え~そうなんですか?」
「今では5年勤めてもらえば御の字なのに、10年ですか・・・」
★回答
「そうなんです」
☆質問
「じゃ、勤続10年を超えたら毎年表彰してあげようかな?」
★回答
「それもダメなのです」
「税法では、おおむね5年以上の間隔をおいて、やらなければならないと
しているのです」
☆質問
「トホホ そうなんですか・・・」
★回答
「でも、この制度をうまく使えば、役員にも従業員にも所得税・住民税がか
からず、かつ、法人の経費となる、いわゆる5年間隔の臨時ボーナスをも
らえるのですから、節税になります」
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