週刊節税教室

住民税の通知書をチェックしよう

所得税・その他
第186号 2005/6/20

☆質問

『主人は個人事業者で、私はその事業を手伝っているため、主

人から青色事業専従者として給与をもらっています』

『今月、区役所から住民税の納税通知書が送られてきたのです

が、なぜか主人の住民税の金額より私の金額の方が多いのです』

『どうしてですか?』

★回答

住民税は給与所得者であれば年末にもらう源泉徴収票と同一内

容の給与支払報告書が、個人事業者ですと確定申告書が計算の

基礎資料になります。

つまり、住民税は所得税を計算する元となったデータがその計

算の根拠となるのです。

☆質問

『ということは、所得税を主人が私より多く支払っていれば、

住民税も主人の方が多くなるということですよね?』

★回答

そのとおりです。

☆質問

『主人は私よりかなり多くの所得税を支払っていますから、や

っぱりこの通知書はおかしいんではないですか?』

★回答

そうですね。

では、区役所にこちらで聞いてみましょう。

さっそく区役所に電話してみます。

■区役所

「はい課税課です」

★回答

「住民税の納税通知書のことでお聞きしたいのですが」

■区役所

「整理番号を教えてください」

★回答等

「○○○番です」

■区役所

「はい××さんですね」

★回答

「住民税の額が多すぎないかということなんですけれど・・・」

■区役所

「あっ これは間違いですね」

「給与支払報告書の給与額とご主人様の確定申告書に記載され

ていた専従者給与の額をダブルで入力されてますね」

★回答

ということは、住民税が倍額で計算されているということです

か?

■区役所

「そういうことですね・・・すみません」

「さっそく、正しい納税通知書をお送りするようにします」

★回答

しかし、なぜそんなに早くミスが分かったのですか?

■区役所

「パソコンの画面を見れば分かりますから・・・」

★回答

え~ このようなミスはよくあることなのですか?

■区役所

「今日はこの1件だけです・・・」

★回答

ということは、毎日このようなミスがあるということのようです。

こちらから連絡しなければ、ミスに気付かずに住民税を多く徴収

してしまうのでしょうか?

驚きです。

皆さん。これは最近起こった実際の話です。

給与所得者の方は、会社からもらった横に細長い「特別徴収税額の

通知書」の給与収入の額と、昨年末にもらった「平成16年分給与所

得の源泉徴収票」の支払金額が合っているかどうか確認してみてく

ださい。

個人事業者の方は、「住民税の納税通知書」の税額の計算における

総所得金額等の額と、「平成16年分の所得税の確定申告書B」の第1

表の(9)の金額(所得金額合計)とが合っているかどうか確認してみ

てください。

「通知された額をそのまま支払ったら、余計な税金まで支払ってし

まった」ということがないよう注意しなければなりません。

せっかく節税しても、払う必要のない税金を支払っては元も子もあ

りません。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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