☆質問
『いや~ 持っているゴルフ会員権の値下がりがひどくてもう
やんなっちゃいます!』
★回答
どのくらい値下がりしたのですか?
☆質問
『1,200万円で買ったのが、今はたったの100万円です』
★回答
売却して売却損を出せば給与所得などと損益通算することによ
り税金が安くなりますよ。
☆質問
『私はもう仕事をやめて、今は国民年金をもらっているだけで
すから』
『損益通算する所得がないのです』
★回答
ん~ 所得がないと節税にはなりませんね。
☆質問
『息子は高額所得者で、「いつも税金でいっぱい持って行かれ
る」と言っていますが、このゴルフ会員権で息子の税金でも安
くなればいいのですが・・・』
★回答
いや、それができるんです。
☆質問
『えっ 私のゴルフ会員権で息子の税金が安くなるんですか?』
★回答
はい、あなたがそのゴルフ会員権を息子さんにまず贈与します。
☆質問
『息子にタダでこのゴルフ会員権をあげるということですね?』
★回答
そうです。
贈与時のゴルフ会員権の時価は100万円ですから、贈与税の基礎
控除である110万円を下回り、もらった息子さんに贈与税がかか
ることはありません。
☆質問
『なるほど』
★回答
ゴルフ会員権をもらった息子さんは、ゴルフ会員権の名義を書き
換えて、自分のものとします。
名義書換料は80万円とします。
そして、思う存分ゴルフをして1年で飽きてしまいました。
そこで、そのゴルフ会員権を市場で売却します。
売却額は100万円です。
この場合の、売却損益はどうなると思いますか?
☆質問
『私からタダでもらったゴルフ会員権を、もらった時の時価と同
額の100万円で売却したのですから、売却益も損もないということ
ではないのですか?』
★回答
違います。
親から贈与してもらった息子さんのゴルフ会員権の取得価額は、
親が購入した金額を引き継ぐのです。
つまり、1,200万円が取得価額になります。
すると、ゴルフ会員権の売却損益の計算は次のようになります。
100万円(売却価額)-1,200万円(取得価額)-80万円(名義書
換料)=▲1,180万円(売却損)
☆質問
『え~ 息子に1,180万円の売却損が発生するのですか?』
★回答
そうなんです。
息子さんは、この売却損を高額な給与所得から損益通算により引
くことができるのです。
☆質問
『そうすると、かなりの節税になりますね?』
★回答
そうですね。
ゴルフ会員権の贈与とともに親の含み損が、子に贈与されるとい
ったような感じです。
☆質問
『さっそく検討してみます』
★回答
この事例は、今年の2月1日に最高裁で判決があった事例です。
判決の内容は、贈与でもらったゴルフ会員権の名義書換料が取得費
に含まれるか否かと言うことが争点でした。
今までは、取得費に含まれないという扱いでしたが、この判決で取
得費に含まれるとする扱いになったのです。
なお、実際の税務調査を再現、解説した本を出版しましたので、ぜ
ひご購入ください。
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